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プロフェッショナルの感性を刺激する旅Vol.26~カラーコーディネーター・秋元未奈子さんのセーシェル

プロフェッショナルの感性を刺激する旅先と、その思い出をお聞きするインタビューコンテンツ。今回は、カラーコーディネーターの秋元未奈子さんに、お仕事に対する思いや人生を変えたセーシェルでの体験について伺います。

カラーコーディネーターの秋元未奈子さんは、その並外れた色彩感覚を“強み”とし、多くの企業研修や学校教育の場で、色の魅力を伝えています。

「まずは“色とは何か?”という基本的な知識に始まり、色の組み合わせやイメージ、たとえば小売業に従事されているビジネスパーソンであれば、お客様の目を引き、購買に繋がるような商品陳列における色彩のセオリーなどをお伝えします」

また、企業だけではなく、個人を対象としたパーソナルカラーのアドバイスにも従事。洋服やメイク、ヘアカラーについて相談にのることも多いのだとか。

「似合う色がわかると、みなさん本当に嬉しそうな顔をなさります。まるで、長年の悩みが一気に晴れたような。一方で、ご本人が好きな色と似合う色が一致していないときもあります。しかし、似合う色がすべてではありません。オシャレに見せたければ流行の色を身につけて時代を楽しめばいいし、花の色に心を奪われたらその色を身にまとえばいい。色は自由です。私は、みなさんが色を活用して、豊かな生活を楽しんでほしいと思っているのです」

色を楽しむというのはどういうことなのでしょう。それを理解するにはまず、色のない世界を想像してみてほしいと秋元さんは言います。

「明日から急に、世界から色が失われたとしたらどうでしょう。たとえば、白・黒・グレーだけの世界。おそらく、旅も食事もオシャレも色あせたものになるでしょう。人生の喜びがものすごく小さなものになってしまいます。それだけでなく、電車の路線図や案内看板が白黒になったりしたら世の中は間違いなく混乱してしまいます。色は生活の中に利便性や美しさ、心地よさ、楽しさ、そして幸福をもたらす大切な要素。私たちは必要な方に必要な色を、必要な方法で提案しているのです」

世界に存在するほとんどの物質にはすべて色が付いています。でも、それを見ているようで見ていないのだと秋元さんは指摘します。

「鮮やかな色には目を奪われますが、ささやかな色は無視されがちです。視覚のスイッチをオンにするだけで、世界はカラフルになる。季節もより敏感に感じとれるようになりますし、建物の色や洋服の色を通じて、時代も見えてくる。何よりも色を知って、自由に使いこなせるようになれば、自分自身を変えることができます」

それは外見だけのことではありません。色は人間の内面にも影響を及ぼすのだといいます。

「最近の研究では、色が人間の体と心に大きな影響を与えることがわかってきています。たとえば、電車のホームの端を青色の光で照らして自殺を防止したり、ピンクが女性ホルモンの分泌を促すことも明らかになっています。食欲を抑制する色もわかっています。このように色を使いこなせば、自分の心理状態をうまくコントロールすることもできるのです。そういった色の使い方を正しくアドバイスするのが、私たちプロの役割であると自覚しています」

セーシェルで見た光景が忘れられない

思えば幼少の頃から、色に対する感覚は鋭く、特別なものだったと秋元さんは当時のことを振り返ります。

「私の母は今で言う、ランドスケープデザイナーとして活躍。美しい庭造りを生業としていました。私が生まれたときには一時仕事を辞めて、子育てに専念。私の洋服を手作りしてくれていたのですが、今でもその色や柄を細部に至るまで鮮明に覚えているのです」

しかもデザイナーだったお母様が作るのは、当時としてはかなり前衛的ともいえるような色鮮やかな洋服ばかり。恐らく、秋元さんの色に対する感度の高さに気がついたお母様が、その感性を育もうとしてくれたのでしょう。

「大学ではファッションを選考し、デザインや染色について学んだのですが、なぜか就職先として選んだのは、テーマパークを運営する大手企業でした。とても楽しかったのですが、“ちょっと違うな”って。やっぱりクリエイティブなことをやりたいと思っていたときに、友人が“色を勉強している”というのです。元々、興味がある分野でしたからね。すぐにおもしろそうと、私も習うことにしたのです」

ところが、当時は“色彩検定”もほとんど知られていないし、色の専門家として生きていける道筋すら存在しない時代。それでも惹かれるがまま、色の世界へとのめり込んでいったといいます。

「その頃、長期休暇のたびに友人と一緒に南の島に出かけてのんびり過ごしていました。毎日、テーマパークで働いていますから、休みの日まで観光地には行きたくない(笑)、なにもないところでボーッと過ごしたいって思っていたのです」

そのうちタヒチからモルディブへと、どんどん美しい海を求めるようになり、そして最後にセーシェルへとたどり着きます。

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「空港のあるマヘ島からセスナ機に乗って“バードアイランド”という小さな島に行きました。そこはコテージの宿泊客と従業員、そして鳥とゾウガメしかいないという孤島。セスナが小さいものですから、宿泊に必要な荷物以外はすべて空港に置いていってほしいなんていわれる、そんな場所だったのですね」

秋元さんは晴れ渡った空を行くセスナ機の小さな窓からふと、眼下に広がる美しい海を眺めます。

「そこに小さな虹がかかっていました。ふつうなら見上げるはずの虹が遙か下方、美しい海の上にかかっている。その美しい光景にすっかり感動してしまいましたね」

さらに、驚きの体験が秋元さんを待っています。それはバードアイランドのコテージに到着し、ロビーのレセプションでチェックインを待っている時のことでした。

「柱と屋根だけがある開放的なロビーでした。ふと見ると、ものすごく美しく色鮮やかな、水色のサテンのような布が干してある。ここで染色もやっているのかなと目を凝らして見ると、なんと、それは…海だったのです。私の脳の中、これまでの体験の中では海と認識できないくらいに鮮やかな水色…。色って、すごい。私は本当に色が大好きだ。だから、この道を追求したいと強く思ったのです」

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世界中に存在する色を求めて

それ以来、秋元さんは、その土地と色の関係について興味を持つようになったのだといいます。

「その土地にしかない色を求めて、旅を重ねていきました。人は生まれた時からそこにある自然の色を抵抗なく使うことができるのですね。ケニアを訪問した時に、それを痛感しました。土の色が赤い。それも強烈なほど。マサイ族の男性は、赤土を使った化粧を施します。女性は自然の中にある色を、好んでビーズのアクセサリーに用います。そして、みな赤を身にまとう。それはずっと身の回りにあった色だから、ごく自然に馴染むのです」

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今後は南米、特にアマゾンに広がる熱帯雨林のねっとりした緑を見たいのだといいます。

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「もう、世界に存在する色は全部、この目で見たいのです。土も、海も、空も、緑も、その土地その土地ですべて違って見える。色を学び、それなりの知識を持って対峙しても、それを越える色がたくさんあるのですから」

ただ感動を味わうだけでなく、色に対する認識の枠を広げて、さらに多くの人に、その魅力を伝えていきたいという秋元さん。未知なる色を求める旅はまだまだ続きます。

秋元未奈子さん https://www.facebook.com/minako.akimoto.5

インタビュアー:伊藤秋廣(エーアイプロダクション

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