日仏友好160周年
フランスと日本との最初の条約、日仏修好通商条約が調印されたのは、明治時代の始まるちょうど10年前、1858年のことでした。両国の友好160周年を記念しフランスでは日本文化の紹介イベント「ジャポニスム2018:響き合う魂」が、2018年7月から2019年2月まで繰り広げられます。その内容は、「展覧会」「舞台公演」「映像」「生活文化」の四部門と多岐にわたるもので、すでに総数50以上のオフィシャルイベントが企画されています。
【イベント情報】ジャポニスム 2018開催期間:2018年7月から2019年2月まで会場:フランス パリ各地
ロスチャイルド館で「深みへ―日本の美意識を求めて―」展
パリ凱旋門に近い、19世紀のロスチャイルド館では、伝統と現代を対比させ、日本の美意識を探求する「深みへ―日本の美意識を求めて―」展が開かれます。例えば、縄文時代の火焔型土器と、そこに想を得た彫刻ドレスなど、その組み合わせは実にユニークなもの。そのほかにも絵画や写真、ファッションを通し、伝統と革新の混ざり合う日本の美学を浮きあがらせる内容となっています。
【左】国宝十日町市博物館所蔵、前3500~2500年 【右】ANREALAGE, collaboration with NAWA Kohei | SANDWICH, ANREALAGE 2017-2018 autumn & winter collection “ROLL”
【イベント情報】「深みへ―日本の美意識を求めて―」展開催期間:2018年7月中旬~8月18日(土)会場:ロスチャイルド館(Hôtel Salomon de Rothschild)住所:11 Rue Berryer, 75008 Paris行き方:メトロ1,2,6番線またはRER A線シャルル・ド・ゴール=エトワール駅、メトロ1番線ジョルジュサンク駅、メトロ2番線テルヌ駅、いずれからも徒歩約8~10分。
プティ・パレで「若冲―〈動植綵絵〉を中心に」展
プティ・パレ© Paris Tourist Office – Photographe : David Lefranc
また、パリ市立プティ・パレ美術館では、日本でも人気の伊藤若冲展が開催されます。18世紀の画家、若冲は、家業を全うしたのち隠居してから絵師として自立したという特異な経歴の持ち主です。緻密な描写と限られた絵具で生み出した極彩色の絵は、目にすれば引き込まれずにはいられない吸引力を持っているように思います。この展覧会では、その若冲の最高傑作と目される『動植綵絵(どうしょくさいえ)』30幅を、ヨーロッパで初めて紹介するものとなります。
伊藤若冲〈群鶏図〉(動植綵絵30幅のうち)宮内庁三の丸尚蔵館所蔵
【イベント情報】「若冲―〈動植綵絵〉を中心に」展開催期間:2018年9月中旬~10月中旬会場:パリ市立プティ・パレ美術館(Petit Palais)住所:Avenue Winston Churchill, 75008 Paris行き方:メトロ1、13番線シャンゼリゼ=クレマンソー駅から徒歩約3分
ポンピドゥ・センターで「安藤忠雄」展
ポンピドゥ・センターでは、日本を代表する建築家である安藤忠雄の個展が開かれます。近年、フランスでは、日本建築の評価が高まっていますが、安藤忠雄は、その先駆けとなった建築家のひとりです。これは、独学で建築を学んだ氏のこれまでの軌跡と先の展望を、スケッチやドローイング、模型、映像などで紹介する展覧会です。
ポンピドゥ・センター© Paris Tourist Office – Photographe : Daniel Thierry
【イベント情報】「安藤忠雄」展開催期間:2018年10月10日(水)~12月31日(月)会場:ポンピドゥ・センター(Centre Pompidou)住所:Place Georges-Pompidou, 75004 Paris行き方:メトロ11番線ランビュトー駅から徒歩4分、1番線または11番線のオーテル・ド・ヴィル駅から徒歩6分
ラ・ヴィレットで「チームラボ 境界のない世界」展
チームラボ 境界のない世界
ジャポニスム2018開催に先駆けてパリ北部ラ・ヴィレットで開かれるのが、ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」による大規模な「境界のない世界」展です。デジタルで描かれた高さ10メートルの滝が、会場の壁から床へと流れ、来場者の足元でわれながら広がっていくさまは、特に圧巻です。デジタルという手法を使うことで、作品を融合させ、境界を取り払った世界の体験ができるスペースを作り出します。
ラ・ヴィレット© Paris Tourist Office – Photographe : Jocelyne Genri
【イベント情報】「チームラボ 境界のない世界」展開催期間:2018年5月4日(金)~9月2日(日)会場:ラ・ヴィレットのラ・グランド・アル住所:211 Avenue Jean Jaurès, 75019 Paris行き方:メトロ5番線ポルト・ド・パンタン駅から徒歩6分
日本映画の100年
シネマテーク・フランセーズでは、1920年代から2018年までの日本映画の100年の歴史を振り返るイベントが開かれます。これは、日仏の専門家が共同で選んだ作品を三部構成で紹介するものです。まず、2018年9月~10月の第一部では、1920~1940年代の映画約25本を上映。活動弁士や楽士によるサイレント映画公演も予定されています。
シネマテーク・フランセーズ© Paris Tourist Office – Photographe : Amélie Dupont
2018年11月~2019年1月の第二部では、場所をパリ日本文化会館に移し、第二次世界大戦後から2000年代までの映画50本を上映。2019年2月は、再びシネマテーク・フランセーズに戻り、現在活躍中の監督の作品約25本を上映します。まだ詳細は未定ですが、これらの映画上映は、パリ以外の都市での展開も予定されています。
【イベント情報】日本映画の100年開催期間:2018年9月~2019年2月会場1:シネマテーク・フランセーズ(La Cinémathèque française)住所:51 Rue de Bercy, 75012 Paris行き方:メトロ6、14番線ベルシー駅から徒歩約5分
会場2:パリ日本文化会館(Maison de la culture du Japon à Paris)住所:101Bis Quai Branly, 75015 Paris行き方:メトロ6番線ビラケム駅から徒歩約1分
河瀨直美監督特集
また、ポンピドゥ・センターでは、日本人映画監督の河瀨直美作品特集も予定されています。カンヌ国際映画祭グランプリをはじめとする数々の賞を受けた河瀨監督の評価は、フランスでも高いものです。その最新作は、奈良を舞台に、フランスの女優ジュリエット・ビノシュと、俳優・永瀬正敏がダブル主演を務める日仏合作となっています。この新作『Vision』は、「ジャポニスム2018」公式オープニング記念にお披露目上映される予定となっています。日程など詳細はまだ不明ですが、2018年7月を予定しています。
【イベント情報】河瀨直美監督特集開催期間:2018年11月23日(金)~2019年1月6日(日)会場:ポンピドゥ・センター(Centre Pompidou)住所:Place Georges-Pompidou, 75004 Paris行き方:メトロ11番線ランビュトー駅から徒歩約4分、1,11番線のオーテル・ド・ヴィル駅から徒歩約6分
いずれのイベントも、2018年3月現在、入場料などは決まっていません。気になるイベントについては、開催期間が近づいてから、公式サイトの情報をチェックしてみてください。
イベント参加時におすすめのホテルとレストラン
会場があちこちに分散しているこれらのイベント。パリの真ん中に宿を取れば、どこに行くのも便利でしょう。「オーテル・レ・リヴ・ド・ノートル・ダム(Hôtel Les Rives de Notre Dame)」は、その名の通り、ノートルダム寺院がすぐそこのホテルです。メトロやRERからも徒歩1分程の距離なのに、隠れ家のような雰囲気で、フランスらしさを感じられます。
【ホテル情報】オーテル・レ・リヴ・ド・ノートル・ダム(Hôtel Les Rives de Notre Dame)住所:15 Quai Saint Michel, 75005 Paris電話:+33 (0) 1 43 54 81 16
このホテル近辺で、ぜひ一度は行っておきたいレストランが「ラペルーズ(Lapérouse)」です。内装はもちろんのこと、外観からしてムードのある建物で、バレンタインには予約が殺到することでも知られています。
【レストラン情報】ラペルーズ(Lapérouse)住所:51 Quai des Grands Augustins, 75006 Paris電話:+33 (0)1 43 26 68 04
今回は「ジャポニスム2018」のイベントの中でも、「展覧会」「映像」部門の見所をご紹介しました。次回<「舞台公演」「屋外イベント」編>記事では、歌舞伎や和太鼓の公演、日本の照明デザイナーによるエッフェル塔のライトアップなど、まだまだたくさんあるイベントの魅力をお届けします。
筆者ご紹介 | ||
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| | 地球の歩き方 トゥルコアンWeb特派員 冠ゆき山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40ヵ国。6ヵ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り旬な情報を地球の歩き方 トゥルコアンWeb特派員ブログよりお届けしています。 | |
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