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【旅のカメラ講座③】「主役」が大事な写真撮影のテクニック!

あなたの撮影テクニックを向上させる旅のカメラ講座も今回が最終回。第一回ではミラーレスとスマホの違い、第二回ではアスペクト比とデータ保存について触れてきましたが今回は、より実践的なテクニックについて現役のプロカメラマン、タカハシ カズヒコさんに教えてもらいました。

 

 

主役となる被写体を決める!

多くの初心者ユーザーが最初に当たる壁が、「何を」「どう撮るのか」というHowの部分になります。例えば旅行を想定したケースで「何」に当たるものは大きく分けて以下のようになります。

・絶景、夜景
自然風景や建造物などがメインの基本的に人が入らないような風景写真です。

・家族、友達、ツアー参加者などの人物
一緒にご旅行しているご夫婦や、お友達、ツアーで一緒になった外国人旅行客など、単純な街並みだけを撮影するよりも絵としての賑やかさがあります。

・草花、食べ物
インスタなどのSNSに投稿される画像の多くを占めるのが、いわゆる静物画像。つまり動かない被写体です。ここでは、道端に咲いている植物や食べ物とします。

・動物、交通機関
路地裏でふとみつけた猫や公園を散歩している犬、移動中の現地の乗り物や電車など、いわゆる動くものです。

旅行中には上記のように、絵になるような決定的瞬間がたくさんあります。ご旅行計画ついでに、何をどれ用に撮影するのか、余裕があれば練っておくとスムーズかもしれません。インスタ用に食べるご飯は全て撮る、facebookで限られたお友達に公開するために自撮りはどこどこで必ずする、などなど。

しかしこれらも無計画にただシャッターを切るだけだと、主役が不明な中途半端な写真になってしまいがちです。写真で重要なのは「主役」。映画も同じですが、それぞれの主張が激しいと情報量が多すぎて主役が霞んでしまうからです。そのため、明確に「主役」となる被写体を決めてから撮影すると、自然と印象が強い写真が撮れるようになります。

もっと言ってしまうと、主役が際立っていると、何気ない景色にも広がりと奥行きを感じることができます。そしてストーリー性を感じられる写真にすることができれば、他の人とは違う、あなただけの一枚が撮れるようになります。

 

看板を主役にした風景写真例

例えば上の写真は、ただの看板です。この場合、主役は「看板」です。

多くの方の目線はまず看板に向きます。この看板から、ハワイのオワフ島の看板であり、ビーチに向かう道すがら(もっと言うと、あと●km的な表示ではないので海が近い)、サーフィンをしているような波のたつビーチであることが想像できます。背景は青空と緑なのに、なぜかこの写真から感じるのは、「南国の楽園」。そして矢印の先を想像すると何だか楽しくなってきませんか?

これがストーリーです。海に着いてビーチをただ撮るのももちろんOKですが、きっとそれは他の旅行者も同じことをしています。ちょっと意識をするだけで、奥行きを感じる写真が撮れたりするかもしれません。

筆者のこだわりとしては、道路から撮影していますが、映らないように下から撮影しております。また、この看板が右側にあっても意味をなさず、矢印の先を見る人に想像して欲しいという観点で左側に入るように撮影しています。

フード系の撮影に大事な「シズル感」

最近ではあまり聞かれなくなりましたが、「シズル感」とは、食品や食材の持つ活きの良さや瑞々しさなど、見た人がおいしそうと感じるような感覚のことを言います。よくある勘違いは、とにかく寄って撮れば良いというものではないということ。これもまた「主役」の存在感が大事です。数あるお皿や大皿の中の全てを写すのではなく、主役を決めてみるように意識をしてみましょう。

牡蠣を主役にした大皿の写真例

レンズの特性を使って、牡蠣にピントをあてて周りをボカす事によって主役を浮き出して撮影しました。このお皿は赤色の海老、緑の野菜、黄色の檸檬など、もとから色彩豊かなこともありますが、海鮮のお皿である印象付けが、主役を際立たせることでより引き立ちます。但し、最近流行りのミルフィーユ鍋など、配列的な美しさがあるものなどは全体が写るように故意に撮影したりすることもありますので、被写体によって違いをみつけてみる楽しさをぜひ感じてみてください。

あえて中心から外す!意味ありげな撮り方

これもまた初心者にありがちですが、「主役」を中心に据えてしまう写真。良い悪いで判断することではありませんが、あえて中心から外して撮影することで、その写真に”含み”や”意味深”な印象を持たせることができるかもしれません。

中心から外して撮影した南国の花

上の写真では、主役の花を中心から外した左下に配置しています。この場合、脇役となるのは葉っぱや他の花です。主役の花を目立たせるために背後に葉が入らないようにした結果、このようになりました。背景にうっすらと見える空と海のコントラストから、ビーチの近くということもわかり、前述したような奥行きをここでも感じることができると思います。

人物をドラマティックに撮影するコツ!

人物入りのいわゆるポートレートの撮影は最も難しいと言えるかもしれません。また、自分のようなカメラマンよりインスタグラムに自撮り画像を毎日公開しているようなインスタグラマーのほうが、自分をかわいく撮れる、盛れる角度や撮り方などは詳しいかもしれません。ただ、旅行において「主役」は自分でもある半面、その画像を見て、どこに旅行に行っているのか、という情報がなければ結局は自己満足になってしまう恐れがあります。アイドルや有名人ならそれもまたアリと言えますが。

さて、では実際にそうではない人たちの写真を撮ってみましたのでご覧ください。

朝のワイキキ・ビーチを散歩する老夫婦

 

早朝、ワイキキ・ビーチを散歩する仲睦まじい老夫婦です。空や海などを広く見せることによって背景の奥行きを意識し、早朝の爽やかさを感じる写真として撮影しました。パラソルやサーファーなどの姿もないので、より主役の老夫婦が引き立ち、ストーリーを感じる一枚になりました。本当は特徴的な建造物があれば、どこの撮影かわかりやすくなりますが、この一枚に関して言えば、逆にないほうが芸術性を強めることに繋がっていると言えます。人物だけが主役でありこの夫婦のストーリー、というわけです。

写真は引き算とよく言われます。

要らないものを削り、撮りたいものを引き立たせることで、印象的な写真に仕上がります。これを機に初心者を抜け出し、良い写真ライフを満喫して頂けたら幸いです。

筆者ご紹介

 

 

タカハシ カズヒコ

デザイン業務の傍ら写真家デビュー2011年に独立。約15年のキャリアで都内を中心に日本全国で活動中。カメラマンとデザイナー視点で写し出します。

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