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急なキャンセル、お金はどうする?ウィズコロナ時代の旅行保険

先の見通しが立てづらいウィズコロナ時代。急に旅の予定変更を余儀なくされてもキャンセル料などの負担をなるべく小さくするために、旅行保険や航空会社のキャンセルポリシーを正しく理解しておきたいものです。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、今知っておきたい旅行保険のあれこれについて聞きました。

※本記事は、旅行保険や航空会社のキャンセルポリシーについて一般的な参考情報を提供することを目的としたものです。個別のケースについては、利用する保険会社や航空会社・旅行会社・宿泊施設の最新のポリシーをご確認ください。

ウィズコロナで旅行保険も変わる

新型コロナウイルス感染症の状況に応じて、随時出入国制限や自粛要請などが発出・変更される今。航空券や宿泊施設を予約した後に、住んでいる場所や旅行先で移動・旅行の自粛要請が出たら?旅行中、新型コロナウイルス感染症にかかってしまったら?航空券・宿泊施設のキャンセル料や治療費は、旅行保険に加入することでカバーできるのでしょうか。

ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは、毎年何度も国内や海外を旅し、今年は(中止せざるを得なかったものの)世界一周旅行も計画していたという旅行好き。最近の旅行保険の変化について、「これまで病気の場合は『帰宅後72時間以内に治療を開始したとき』が補償の対象でした。コロナの影響により、今は『30日以内』とする保険会社が一般的になっています」と教えてくれました。

なおエミレーツ航空やエアカナダなど一部の航空会社では、航空券を購入した人に無料で“コロナ保険”を提供する動きも出てきています。こうした保険は、渡航後に陽性が判明した場合の治療費や自主隔離に伴う宿泊費、政府による警戒レベル引き上げで帰国する場合の航空券代・宿泊費などを補償するもの(条件や補償内容は会社により異なる)。

日本の旅行会社の中にも、国内旅行パッケージを予約した人に対して、旅行中に新型コロナウイルス感染症を発病した場合の一律金額補償、旅行中の電話医療相談などを組み込んだ保険を無料で提供するところも出てきています。

旅行のキャンセル・変更で補償を受けるには

こうした最近の変化を踏まえて、いま旅行保険はかけるべきなのでしょうか?風呂内さんによると、旅行中に新型コロナウイルスを発病した場合の治療費や、航空券や宿泊施設のキャンセル・変更費用の補償を受ける方法は大きく3つあります。

①旅行保険の旅行変更費用補償特約
まずは海外旅行について。手持ちのクレジットカードに付帯されている海外旅行保険(海外旅行傷害保険)を利用する人も多いでしょう。

一般的な海外旅行障害保険は、旅行中の事故による死亡や後遺障害が発生した場合(傷害死亡・後遺障害)の費用、旅行先でケガや病気をした場合の治療費(傷害治療費用・疾病治療費用)、家族が治療サポートのために渡航する場合の費用(救援者費用)、荷物の盗難などによる損害(携行品損害)、施設の備品を壊すなどして発生した賠償金(賠償責任)などを補償するもの。

「旅行中に新型コロナウイルス感染症を発病した場合、治療費は他の病気のときと同じように『疾病治療費用』の中でカバーされます」と風呂内さん。海外での治療費はかなり高額になることもあるので、滞在期間と現地での医療体制、補償最高額を併せて確認しておく必要があります。

一方で、政府の出入国制限により海外旅行をとりやめた場合。キャンセル料をカバーしたいなら、クレジットカード付帯の保険などに「旅行変更費用補償特約」(名称は保険会社により異なる)というオプションをつけるのも一つの方法です。

この特約をつけると、「保険加入後に」日本政府の渡航中止勧告・退避勧告や目的地の政府の出入国制限が発出されて出国できなくなった、途中で帰国したといった場合に、キャンセル・変更費用や本来遂行できるはずだった部分との差額が戻ってくる可能性があります。「ですが、こうした特約は海外旅行が一般的なので、国内旅行についてはあまり関連性が高くないでしょう」と風呂内さん。

では、国内旅行の場合はどうでしょうか。国内旅行保険(国内旅行傷害保険)も海外旅行保険と補償内容はほぼ同様ですが、新型コロナウイルス感染症を含む「病気」の場合は対象外であることが多いのが大きな違い。もし国内旅行中に発病してしまったら、治療費は旅行保険ではなく通常の医療保険でカバーすることになります。

注意したいのが、発病以外の理由で旅行をキャンセルする場合。風呂内さんによると、「感染者数の増加などから自己判断で中止した場合は、補償対象になる可能性は低いです」

②少額短期保険(旅行キャンセル保険)
他にも、自分自身や同行者の急な病気やけが、旅行出発日の飛行機の遅延・運休などにより旅行を中止したとき、払い戻されなかった分の航空券・宿泊費を補償してくれるキャンセル特化型の少額短期保険があります。こうした“旅行キャンセル保険”は、国内・海外旅行ともに各保険会社が販売しており、各航空会社・旅行会社サイトに案内が掲載されているので確認してみましょう。

「ただ旅行キャンセル保険でも、自治体の自粛要請を理由に旅行を中止した場合は、保険料が返還される代わりに補償もされない“契約失効”という対応になることが多いので注意が必要です」と風呂内さん。

③航空会社のキャンセル・変更ポリシー
保険に加入していなくても、航空会社のポリシーに従い、所定の手数料を支払えば航空券代の一部または全額を返金してもらうことができます。

フルサービスキャリアなら、自分自身だけでなく同行者の病気によるキャンセル・フライト変更も無料でできることが多いです。特にウィズコロナの今は、一定期間内なら何回でも無料で変更できる航空会社も。

「国内旅行の場合、特にフルサービスキャリアであれば航空会社のポリシーの中でキャンセル・変更費用は十分カバーされるので、旅行保険加入の必要性は低いと言えます」と風呂内さん。

ただセール航空券やLCCの場合は返金を受けられないこともあるので、購入時にポリシーをよく確認しておくことが必要です。記事「LCCもフルサービスキャリアも!国内線航空券のキャンセル・変更ルールまとめ(2020年10月版)」も参考にしてみてくださいね。

今、安心して航空券を予約するには

外務省からレベル2または3の渡航勧告が全世界に対して発出されている今(記事公開時点)、観光目的の海外旅行は事実上難しい状態です。今後緩和されることを見越して、保険に加入したうえで安いうちに航空券を買っておき、もし制限が緩和されなければ行かずにキャンセル料を保険でまかなう・・・といったことはできるのでしょうか。

「保険の基本的な考え方は、想定しづらい状況によって起きた、その人の財産ではまかなえないほど大きな負担をカバーする、というもの。“ある程度予測可能な事態”は補償されづらいので、制限解除されるかどうかがそもそも不明である今、現在進行形の入国制限・渡航制限を理由とした旅行中止がカバーされる可能性は低いでしょう」と風呂内さん。

ゆえに制限解除前に航空券の購入をしたい場合は、「出発の何日前からキャンセル料が発生するのかをチェックして、制限の状況をみてこまめにキャンセルする方法が現実的」。宿泊施設でもキャンセル不可のプランと可能なプランの両方を販売していることも多いので、しっかり確認しましょう。

とはいえ新型コロナウイルス感染症の影響で、保険も変化してきています。渡航制限の緩和や状況の変化により新しい保険商品が出てくる可能性もあるので、こまめに情報を収集しておくとよいでしょう。「事前にしっかり調べて、調べることも楽しみに変えられれば、旅行の満足度も上がりよいお金の使い方ができるのではないかと思います」。

【お話を聞いた人】
風呂内亜矢(ふろうち・あや)さん
ファイナンシャルプランナー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。
1978年生まれ。大手電機メーカー系SIerに勤めていた26歳のときマンションを購入したことをきっかけにお金の勉強を始め、2013年、ファイナンシャルプランナーとして独立。各メディアでお金に関する情報を発信している。著書に『超ど素人がはじめる資産運用』(翔泳社)、『ケチケチせずにお金が貯まる法みつけました!』(王様文庫)など。最近は日常の記録に交えてお金の情報を伝える「FUROUCHI vlog」https://www.youtube.com/c/FUROUCHIvlog/ も運営。