ホライズン
これからの旅行業界
ホライズン:旅行・観光における今後の展望
経済の先行きが不透明な中でも、旅への意欲は衰えていません。ただし、お金の使い方は変わりつつあります。
旅行を贅沢なものとしてではなく、価値のある体験への投資として捉える旅行者が増えています。とはいえ、無計画に出費しているわけではありません。どこにお金をかければ最大の価値が得られるかを、より慎重に考えるようになっています。
旅のあらゆる場面で、旅行者はストレスを減らし、柔軟性を高め、真の価値をもたらす商品・サービス・体験を求めています。一方で、旅行体験を明確に向上させないプレミアムなオプションには、以前より慎重になっています。
テクノロジーも、旅の探し方・比較・予約のあり方を大きく変えています。AIによってインスピレーションや旅の計画がより直感的になる一方、旅行者は信頼できる情報、透明性のある価格、そして自信を持って意思決定できるブランドを引き続き重視しています。
このセクションでは、旅行の未来を形づくる行動変容を探ります。AIの役割の拡大や予約習慣の変化から、価値・サステナビリティ・信頼に対する期待の変化まで、2027年の旅行業界における最大のチャンスを明らかにします。
需要
旅行は最優先事項
スカイスキャナーの検索データの分析、旅行者へのアンケート調査、そしてパートナーとの対話を通じて、一つのことが明確になりました。それは、旅行への意欲が依然として高いということです。
2026年を通じて個人消費の伸びが鈍化し、航空会社が世界各地で需給バランスの難しい調整を迫られる中でも、旅行への意欲は高い水準を保っています。旅行の回数を減らすのではなく、より丁寧に計画を立て、予算を賢く管理しながら、本当に大切な体験を優先する旅行者の姿が浮かび上がっています。

インサイト
63%が、2027年も同等、またはそれ以上の旅行を計画しています。

スカイスキャナーにおける世界全体の旅行検索数は、前年比で17%増加しています。1

旅行は引き続き、優先度の高い支出項目となっています。旅行代理店にとっての課題は需要を生み出すことより、旅行者が安心して予約できるようサポートすることにあります。
コストパフォーマンス
お金をかけるところを選ぶ旅行者が増加
家計への負担が続くなか、旅行者はお金の使いどころをより慎重に見極めるようになっています。単に最安の旅行を探すのではなく、フライトや宿泊先など、旅で重視するものに予算をかける一方、追加オプションにはより慎重になっています。
この変化は、旅行者が何を購入するかだけでなく、旅行の計画・予約の仕方にも影響を与えています。選択肢を比較し、トレードオフを検討し、本当に価値のある選択かを見極めるために、より長い時間をかけています。

2026年と比較して2027年の旅行予算を増やす予定の旅行者

旅行先を選ぶ際に重視する費用:
フライト
宿泊施設

AI検索なら、目的地のデータをフライト価格・天気・フライト時間・旅の雰囲気などを並べて比較できます。視覚的にわかりやすく表示されるため、より素早く、自分に合った旅行先を選びやすくなります。
旅行者はフライトと宿泊先に、予算だけでなく検討の時間も多くかけています。
競争力のある価格に加え、わかりやすく透明性のある情報とスムーズな予約体験を提供できるブランドほど、旅行者の信頼を得て予約につなげやすくなります。

支出
追加オプションへの支出はより慎重に
贅沢なオプションにお金をかけるよりも、旅行をよりスムーズで快適にするアップグレードを選ぶ旅行者が増えています。
旅行者がお金をかけたい項目:
ツアーやアクティビティ
座席の選択
旅行保険
昨年との比較:
空港ラウンジの利用を予定(昨年は37%)
が部屋のアップグレードを予定(昨年は39%)
が受託手荷物を追加購入予定(昨年は30%)
旅行者は必ずしも支出を減らしているわけではなく、より選択的にお金を使うようになっています。予約の各段階で価値をわかりやすく示せるブランドほど、追加の支出につなげやすくなります。

出発の約10週間前に予約
検索のピークは3〜5月
平均旅行日数は4.7日

旅行者がいつ旅行を予約するのかを把握することで、ブランドは予約を決める前の段階から効果的にアプローチできるようになります。
信頼
旅行はソーシャルな体験であり、口コミの影響力は大きい
テクノロジーが旅行計画を変え続ける中でも、信頼できる口コミは依然として最も強力なインスピレーションの源となっています。
旅行者が旅のインスピレーションを得る主な情報源は、次のとおりです。
口コミ
39%YouTube(ユーチューブ)
25%Instagram(インスタグラム)
22%映画・テレビ
21%ガイドブック
19%
信頼性の高いリアルなストーリーテリングは、旅行先選びに影響を与える有効な手段の一つです。説得力があり共感を呼ぶコンテンツを発信するブランドは、引き続き注目を集めるでしょう。
AI
旅行者はAIを活用しているが、信頼性への懸念も残る
AIは旅行計画において引き続き重要な役割を果たしていますが、信頼性への懸念は残っています。2027年に、AIが生成したおすすめ情報を活用して旅行を計画・予約することに自信があると答えた旅行者は30%で、昨年の27%から増加しました。
AIの活用に最も自信を持っているのはミレニアル世代です。
ミレニアル世代
55%Z世代
51%X世代
28%ベビーブーマー世代
15%旅行者がAIを活用する主な目的:
目的地のリサーチ
32%旅先のインスピレーションを得る
29%フライトと宿泊施設の比較
16%AIに関する主な懸念点:
情報の正確性
47%問題が起きたときの問い合わせ先がない
20%
「AIは旅をもっとシンプルにするものであるべきで、複雑にするものであってはならない」
「最大の可能性は人間の意思決定を置き換えることではなく、旅行者が新たなインスピレーションを得られるよう支援することにあります。信頼は依然として不可欠であり、だからこそAIは、透明性の高い情報や信頼できる旅行プラットフォームと組み合わせることで、より大きな効果を発揮します。」

ピエロ・シエラ
スカイスキャナー 最高AI責任者
AIによって旅行の選択肢を発見・比較することがこれまで以上に簡単になっています。一方で、正確な情報や透明性のある価格、必要なときのサポートを提供するうえで、信頼できるブランドの役割は依然として欠かせません。

安心
旅行者はレンタカー会社を選ぶ際に価格以外の要素も重視
選択肢がかつてないほど広がる中、旅行者はバリアフリー対応・サステナビリティ・家族連れへの適性など、安心して予約するための詳細な情報を求めています。
予約時に、こうした機能の重要性が高まっています。
スカイスキャナーには、家族連れ向けのフィルターやアクセシビリティに関するサポート、穴場の旅行先を探せる『穴場』フィルターがあることをご存知ですか?
がアクセシビリティ情報を検索
が家族向け設備を重視
がサステナビリティ情報を検索

充実した商品情報は、旅行者の安心感につながります。予約前に適切な情報を提供することで、不安を取り除き、信頼を高めながら、予約率の向上も期待できます。

「透明性のある情報、優れた価値、そして安心して選べる体験を提供することが成功への鍵です」
「旅行者が旅行の計画・予約を、これまで以上に慎重に行うようになっていることを実感しています。旅行を優先する姿勢は変わらないものの、価格や柔軟性からバリアフリー対応・サステナビリティに至るまで、あらゆる判断をより慎重に行っています。透明性の高い情報、優れた価値、そして旅行者が安心して選べる体験を提供することが、成功への鍵となるでしょう。」

キャット・キング
スカイスキャナー 最高商務責任者
持続可能性
旅行者はサステナビリティを実践できる具体的な方法を求めている
旅行者は、大きなコストや手間をかけずに、よりサステナブルな選択ができるシンプルな方法を求めています。
旅行者が求めているサステナビリティへの取り組みは、次のとおりです。
が鉄道や公共交通機関との連携強化を希望
がより環境に配慮したパッケージ旅行やツアーを希望
が排出量の少ない移動手段を希望
アクセシビリティ
旅行をもっと身近に
アクセシビリティプログラムを通じて、よりインクルーシブな旅行体験づくりを進めるとともに、バリアフリー対応のオンライン予約を提供するレンタカー会社を、旅行者が見つけやすくする取り組みを進めています。

サステナブルな選択肢を見つけやすく、選びやすくすることで、旅行者の高まる期待に応えるブランドづくりをサポートできます。また、スクリーンリーダーなどの支援技術を利用する旅行者のために、アクセシブルなオンライン予約に対応したレンタカー会社を見つけやすくする取り組みも行っています。
観光地の混雑が目的地の選択に影響
混雑を避けてオフシーズンの旅行や、知名度の低い場所を選ぶ旅行者が増えています。
目的地にとっては、人気スポットへの集中を緩和しながら新たな訪問者を呼び込む好機といえます。
が近隣の混雑していない場所を選ぶことを検討・予定中
が静かな目的地の訪問を検討・予定中
がお気に入りの場所を、比較的空いているオフシーズンに訪れることを検討・予定中
「穴場の旅行先」フィルターなどの機能を通じて、まだ広く知られていない旅行先を発見してもらえるよう取り組んでいます。
また、観光機関と連携し、訪問者の需要を分散させることで、持続可能な観光を支援しています。


定番の観光地とは異なる旅行先やオフシーズン旅行への関心が高まる中、旅行ブランドにとっては新たな需要を喚起し、新たな旅行者層を取り込む機会が生まれています。
Z世代
Z世代にフォーカス
2027年にはZ世代の最年少層が成人を迎え、新たな旅行者層として市場に加わります。
デジタルネイティブとして育ったZ世代は、旅にシームレスさ、パーソナライズ、そして透明性を期待します。彼らは旅行には積極的にお金を使う一方、コストパフォーマンスを重視しながらも、本格的な体験や信頼のおける情報を求める傾向があります。
Z世代が目的地を選ぶ際の決め手:
安全性
59%直行便
40%文化や宗教に配慮した食事
37%リーズナブルな宿泊施設
34%Z世代が計画している人気の体験には、次のようなものがあります。
地元グルメの食べ歩き
44%ショッピング
43%歴史的な観光スポットの訪問
34%地元のファッションアイテム購入
30%地元のスーパーマーケット訪問
27%
ナイトライフが上位にランクインしていることから、若い旅行者の間で従来型の社交的なアクティビティ離れが進んでいるという見方は、必ずしも実態に即していないことがうかがえます。
Z世代が休暇のおすすめ情報を得る手段:
家族
50%友人
44%旅行サイト
41%
インサイト
Z世代でAIツールを信頼している人はわずか21%、有名人やインフルエンサーを頼りにする人も14%にとどまります。
Z世代は旅行に対してだけでなく、人生の優先順位にも変化が見られます。
貯蓄よりも旅行を優先
32%旅行の機会や海外で働くことを重視してキャリアを考える
28%
今後の展望
「旅行への投資意欲と優先度は引き続き高く、予約から得られる価値を最大限に高めようとする意識も強まっています。AIが旅行計画に与える影響が増す中、今後優位に立つのは、インテリジェントな技術と信頼性の高いデータ、透明性のある価格、そして旅行者が安心して旅を選べる体験を組み合わせて提供できるブランドです。次世代の旅行者の期待に応えるには、単なる取引を超え、信頼できるパートナーとなることが業界全体に求められます。」

ブライアン・バティスタ
スカイスキャナーCEO