旅行や出張で韓国を訪れる際に気になるのが、現地のコンセントタイプや電圧のこと。スマートフォンやパソコン、ドライヤーなど、使い慣れた電化製品を現地でも問題なく使うためには、事前に韓国のコンセント事情をしっかり把握しておくことが大切です。
そこで、本記事では、韓国のコンセント形状や対応する変換プラグ、現地の電圧、変圧器が必要かどうかの判断基準など、電源周りの情報を詳しく解説します。
変換プラグや変圧器の機内持ち込みルールや、それらを新しく購入する場合に役立つ情報もまとめているので、初めて韓国に行くという方はもちろん、久しぶりに韓国に行く方も、ぜひ参考にしてください。
本記事を読み、韓国のコンセント事情に詳しくなることで、必要な準備を整え、不安なく韓国滞在を満喫しましょう。

韓国現地のコンセント形状は3種類
韓国で使われているコンセント形状は、「Aタイプ」「Cタイプ」「SEタイプ」の3種類です。
それぞれのコンセント形状をまとめると、下記のようになります。
Aタイプ | 日本と同じコンセント形状で、縦線形の穴が横に2つ並んでいる |
Cタイプ | 丸い穴が横に2つ並んでいる |
SEタイプ | Cタイプに比べて大きな丸い穴が横に2つ並んでいる |
韓国では「SEタイプ」と「Cタイプ」のコンセントが主流で、特に「SEタイプ」が一般的です。日本と同じ「Aタイプ」のコンセントは空港や一部のホテルで見かける程度です。
「SEタイプ」と「Cタイプ」は一見同じタイプのように見えますが、「Cタイプ」は太さ4mmのプラグに対応し、「SEタイプ」は4.8mmのプラグに対応しています。
「Cタイプ」のプラグを「SEタイプ」のコンセント穴に差して使うことも可能ですが、グラつきや接触不良の原因となるため、形状に合ったプラグを使う必要があります。
異なるコンセントに対応する変換プラグと使い方
日本と同じ「Aタイプ」のコンセントや、どのプラグ形状にも対応する「ユニバーサルコンセント」が設置されている場合は、日本から持ち込んだ電化製品のプラグをそのまま差して使用できます。しかし、「Cタイプ」や「SEタイプ」のコンセントの場合は、変換プラグを使用する必要があります。
変換プラグの使い方は簡単で、まず、変換プラグを現地のコンセントに差し込み、次に日本の電化製品のコンセントプラグを変換プラグに差し込むだけです。
変換プラグは現地の宿泊施設で借りられる場合もありますが、空港についてすぐや移動中にも使えるよう、日本から用意していくのをおすすめします。
変換プラグは、町中の100円均一ショップや家電量販店、ネットショップ、空港など、さまざまな場所で購入が可能です。用意を忘れてしまった場合も、韓国の空港やコンビニなどで購入できます。
変換プラグを買うときは、日本の形状である「Aタイプ」から特定のコンセントタイプに変換できる専用プラグもありますが、パーツを組み替えるだけでさまざまなコンセント形状に対応できる「マルチタイプ」の購入がおすすめです。
狭い場所や使いにくい場所のコンセントを有効に使いたい場合には、延長コード付きの変換プラグの購入を検討しましょう。
韓国旅行で変圧器は必要か?
日本の電圧は100Vなのに対し、韓国の電圧は220Vです。
日本の電圧にのみ対応した電化製品を使うときは、韓国の電圧に合わせるため、変圧器を使用する必要があります。
電圧が合わないまま使用してしまうと、機器の故障につながったり、火花が散ったりすることがあり、最悪の場合、火災につながり危険です。
とはいえ、最近は海外でもそのまま使用できる製品が増えています。コンセント部の製品ラベルや説明書に「100-240V(100〜240Vの電圧に対応)」といった表示があれば、海外対応製品なので変圧器は不要です。
韓国への渡航前に、現地で使用予定の機器の仕様をチェックし、製品が海外対応でない場合は、変圧器を用意するようにしましょう。
下記では、海外旅行や海外出張に持っていくことが多い製品の電圧について、さらに詳しく解説します。
iPhoneなどのスマホの充電
iPhoneをはじめとするスマートフォンの充電器は「100-240V」といった記載があり、全世界対応なので基本的に変圧器は不要です。変換プラグの用意さえあれば、現地で問題なく充電できます。
また、USBでの充電にはどの地域でも共通の電圧が使われているため、USBケーブルを使った充電の際も電圧の心配はいりません。
韓国ではUSBポートが設置されている場所も多いので、スマホの充電用にUSBケーブルを持ち歩くようにしておくと便利です。
ドライヤー・ヘアアイロンの利用・充電
ドライヤーやヘアアイロンは海外対応製品もありますが、仕様を気にせず購入している場合、海外の電圧に対応しておらず、変圧器が必要となる場合がほとんどです。
ドライヤーやヘアアイロンは大きな電力を必要とするため、変圧器はその電力に対応できるものを使用する必要があります。変圧器を買い求める際は、「ドライヤー専用」や「ヘアアイロン対応」などの表示があるものを選ぶようにしましょう。
また、マイナスイオンドライヤーについては、機器の性質上、ほとんどの場合、変圧器を使っても海外では使用できないので注意してください。
モバイルバッテリーの充電
モバイルバッテリーは、USBポートを使って充電するのであれば、基本的に海外での利用も問題ありません。ただし、ACアダプターを使って充電する場合は、そのアダプターが海外対応かを確認する必要があります。
コンセント一体型のモバイルバッテリーは海外対応のものも多いですが、念のため製品ラベルに記載されている電圧情報を確認しておくと安心です。
「100-240V」といった記載がある全世界対応のモデルの場合は、変換プラグに差し込むだけで韓国でも問題なく使用できます。
パソコンの利用・充電
パソコンの充電器も一般には100〜240Vに対応できるため、変圧器は必要ありません。ただし、古いモデルや特殊なタイプのパソコンでは変圧器が必要になる場合もあるので、必ず準備の際に電圧表示を確認するようにしてください。
全世界対応の充電器であれば、韓国のコンセントに合う変換プラグを取り付けるだけで、パソコンの利用も充電もできるようになります。
電子タバコの充電
電子タバコについても海外対応の場合がほとんどですが、充電器に全世界対応を意味する「100-240V」の記載があるかを確認するようにしましょう。
スマホやモバイルバッテリー同様、USBポートからの充電であれば変圧器の用意は不要です。
なお、電子タバコを韓国へ持っていく場合は、利用する航空会社の持ち込みルールについてもよく確認するようにしましょう。現地の喫煙ルールについてもあらかじめ調べておくことが大切です。
変換プラグ・変圧器の機内持込みルール
変換プラグや変圧器は、いずれも機内持ち込みが可能です。預け入れ荷物なしで渡航する場合も、身の回り品の荷物に入れてしまって問題ありません。
預け入れも可能ではありますが、海外旅行では、到着後すぐや現地での移動中に電源が必要になることも多いため、変換プラグについてはすぐに取り出せるよう身の回り品として持ち込むのをおすすめします。
変換プラグはサイズが小さく軽量ですが、変圧器はサイズが大きく、重さのある製品も多いもの。
荷物の重量が気になる場合は、変圧器を持っていくよりも、海外対応の電化製品を用意したり、滞在先の貸出し品の利用や現地購入を検討したりするほうがよい場合もあります。
そもそものところ、先に説明した通り、変圧器が必要ないということも多いので、事前に変圧器が本当に必要かを確認しておくのも大切です。
関連ページ:国際線の機内持ち込みの手荷物のルール・サイズ・禁止物
変換プラグ・変圧器の事前準備と購入方法
韓国への渡航準備のために、変換プラグや変圧器の購入可能場所や、購入の際の注意点についても確認しておきましょう。
変換プラグや変圧器は、主に以下のような場所で購入できます。
購入可能場所 | 変換プラグ | 変圧器 |
家電量販店 (ビックカメラ、ヤマダデンキなど) | ◯ | ◯ |
100円均一ショップ (ダイソー、ワッツなど) | ◯ | ✕ |
オンラインショップ (Amazon、楽天市場など) | ◯ | ◯ |
ホームセンター (カインズ、コメリなど) | ◯ | ◯ |
国内の空港 (免税店、売店) | ◯ | ◯ |
変圧器は、4,000〜5,000円が相場で、100円均一ショップでは取り扱いがないようです。
国内の空港では、成田国際空港や羽田空港であれば、大手家電量販店も入っており、変換プラグは種類が豊富ですが、変圧器についてはドライヤー対応のものがおいていないこともあります。
関西国際空港では出国手続き後のエリアで変換プラグや変圧器の購入が可能な場合がありますが、品揃えが限られる可能性がある点には注意が必要です。
空港で購入すると割高になる場合も多いため、なるべく出発前日までに町中の店舗やネットで購入しておくのをおすすめします。
また、韓国で変換プラグや変圧器の購入が必要な場合は、下記のような場所で見つかります。
家電量販店(LOTTE HIMART、電子ランドなど)
大型スーパー(Eマート、Homeplusなど)
コンビニ(GS25、CU、セブンイレブンなど)
韓国で購入する場合、値段は日本と同じぐらいか安く手に入ることもありますが、慣れない場所でお店を探すのはなかなか大変なことです。現地での時間を有効に使えるよう、特別な事情がなければ、できるだけ日本から準備していくのがよいでしょう。
充電に関しては、モバイルバッテリーがあると便利です。韓国の電圧に対応しているか確認のうえ、あわせて用意しておきましょう。
韓国現地のホテル以外の充電環境
韓国では、多くの場所でコンセントや充電ステーションの利用が可能です。
空港内では、さまざまな電圧やコンセント形状に対応する電源スポットがあり、スマートフォンのワイヤレス充電もできるようになっています。
仁川国際空港からソウル駅への直通列車(A’REX)や、高速鉄道(KTX)では、窓際や足元などにコンセントやUSBポートが設置されています。ワイヤレス充電器が設置されている場合もあり、対応のスマートフォンなら簡単に充電が可能です。
多くのリムジンバスや高速バスにはUSBポートがあり、路線バスでも設置が進んでいます。
乗り換えなどで利用が多い主要な地下鉄駅では、無料で利用できる充電ステーションが設置され、観光地でも、多くの場所で充電できる場所が用意されています。
カフェでも、ほとんどの場所で無料Wi-Fiとあわせてコンセントが使えるようになっており、韓国では町中でも充電場所に困ることはないでしょう。
USBポートでの充電であれば変換プラグの必要がなく、現地観光中はUSBケーブルを持ち歩いておくと便利です。
韓国・日本・主要旅行先のコンセント形状と電圧比較
最後に、韓国や日本、主要旅行先のコンセント形状と電圧情報をまとめてご紹介します。
今後渡航の可能性がある国の情報もあわせて確認することで、変換プラグは個別タイプにするかマルチタイプにするかや、変圧器や海外対応製品の購入が必要かどうかの参考にしてください。
なお、複数のコンセント形状を使っている国では、2〜3タイプの形状が全て使えるマルチタイプコンセントを設置している場所もあります。
アジア
国 | コンセント形状タイプ | 電圧 / 周波数 |
シンガポール | BF | 230V / 50Hz |
タイ | A・B・B3・BF・C | 220V / 50Hz |
台湾 | A(まれにC・O) | 110V / 60Hz |
中国 | A・O | 220V / 50Hz |
日本 | A | 100V / 東日本:50Hz・西日本:60Hz |
フィリピン | A・B3・C | 220V / 60Hz |
ベトナム | A・C(まれにSE・BF) | 220V / 50Hz |
北米・ヨーロッパ・オセアニア
国 | コンセント形状 | 電圧 / 周波数 |
アメリカ | A ※厳密にはAタイプに丸穴がついたタイプであるが、Aタイプのプラグをそのまま使用可能 | 120V / 60Hz |
イギリス | BF(一部地域でB3) | 230V / 50Hz |
オーストラリア | O・O2 | 240V / 50Hz |
カナダ | A ※厳密にはAタイプに丸穴がついたタイプであるが、Aタイプのプラグをそのまま使用可能 | 110-120V / 60Hz |
スペイン | C・SE | 220V / 50Hz |
フランス | C・SE | 220V / 50Hz |