別名「妖精の煙突」と呼ばれる奇岩が乱立する、トルコ・カッパドキア。「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群」としてユネスコ世界遺産に登録されています。まるで別の惑星に迷い込んだかのような不思議な景観が広がるカッパドキアの楽しみ方を、絶景が満喫できる気球フライトを中心に、地球の歩き方 カッパドキアWeb特派員の横溝 絢子さんにご紹介いただきます。
もくじ
- 「妖精の煙突」と呼ばれる奇岩群
- 一生に一度の気球フライト!早めに予約しよう
- カッパドキアの歴史を体験できるローカルツアーに参加しよう!
- カッパドキアの天候と適した服装/持ち物
- カッパドキアの洞窟ホテルに泊まろう
- カッパドキアの名物!壺焼きケバブを食べよう
- カッパドキアへのアクセス
「妖精の煙突」と呼ばれる奇岩群
イスタンブールから飛行機で約1時間。標高1000mを超えるアナトリア高原地帯に存在するカッパドキアは、周辺にある三つの火山(現在は死火山)による火山灰や溶岩が風雨によって浸食されてできた大地です。
古代オリエントの王国ヒッタイトの中心地として栄え、その後6~9世紀になると、ローマ帝国の迫害から逃れるキリスト教徒が移り住み、大自然の中にも文化的な価値が生まれることになりました。今では、自然を楽しむアクティビティや文化遺産を巡るツアーで観光客に大人気のエリアです。
一生に一度の気球フライト!早めに予約しよう
カッパドキアの魅力を余すことなく堪能できるおすすめのアクティビティが、奇岩群を上空から眺める「気球フライト」です。人気の気球フライトですが、数年前からトルコ航空省の管轄になり、一度にフライト可能な気球の数や天候の基準が厳しくなり、接触事故などが減りました。その反面、シーズン中は席が不足しがちですぐ売り切れになってしまい、予約の確保が難しくなっています。特に近年は中国人観光客が多いため、トルコの連休に重なると数週間前には売り切れになることも多いです。
フライトの機会を逃さないように日本出発前に必ず予約されることをおすすめします。また天候によりフライトがキャンセルされることも多いので、予備日として2日以上あった方が賢明です。
カッパドキアの歴史を体験できるローカルツアーに参加しよう!
広大なカッパドキアを効率よく巡るには、やはりツアーへの参加をおすすめします。カッパドキアでは、カッパドキア北部を周遊するレッドツアー、カッパドキア南部を周遊するグリーンツアーなどが毎日催行されています。カッパドキアを訪れる観光客のほとんどが参加するのがグリーンツアー。カッパドキアに来たら必見の地下都市や大自然を満喫できるウフララ渓谷でのハイキングなどが組み込まれています。
レッドツアーには、ギョレメ野外博物館や奇岩巡りが組み込まれています。北部のエリアは、時間のある方は自力で周遊される方もいます。時間がない方には、効率よく観光できるツアーがおすすめです。
カッパドキアの天候と適した服装/持ち物
夏は最高気温40度近く、冬は最低マイナス15度になることもあるカッパドキア。さらにカッパドキアは盆地にあるため、朝晩の温度差が10度以上となることもあります。早朝に気球ツアーに参加予定の方は、アウトドア用の服装(ジャケットなど)を用意しておくことをおすすめします。スニーカーや長ズボンは必需品です。
カッパドキアではクレジットカードの使えるお店がほとんどですが、稀に現金払いのみのお店もあることと、土産店などでは現金払いだと割引交渉できることもあるため、ある程度の現金があった方がいいでしょう。現金は、現地のATMで引き出したり、郵便局などで日本円からの両替も可能です。
カッパドキアの洞窟ホテルに泊まろう
カッパドキアには、ペンションからデラックスホテルまで200軒近くのホテルが存在しますが、岩を掘って作られた昔の住居を客室としている洞窟ホテルへの宿泊は、ここでしかできない体験です。せっかくカッパドキアを訪れたなら、洞窟ホテルに泊まってみましょう。
「アンバー ケーブ スイーツ(Amber Cave Suites)」は、全室洞窟を利用したギョレメ村の高台にある家族経営のホテルです。全10室全てデザインや部屋の雰囲気が異なるので、事前にウェブサイトで好きな部屋を指定することをおすすめします。朝食は、ホテルのオーナーの畑で採れる野菜や果物が提供され、奇岩群の絶景を眺めながらいただくことができます。
【ホテル情報】
アンバー ケーブ スイーツ(Amber Cave Suites)
Gaferli Mahallesi Kale Sokak No:4 Göreme, 50180 Merkez/Nevşehir
+90(0384) 271 2977
www.ambercavesuites.com
カッパドキアの名物!壺焼きケバブを食べよう
壺焼きケバブ(テスティケバブ)とは、カッパドキアの名産品である陶器で作った壺の中に、羊・牛・鶏いずれかの肉と、カッパドキアで採れた玉ねぎ・トマト・青唐辛子などを一緒に入れ、窯で長時間煮込んだ料理です。食べる前に壺を叩き割って中身を出すというのもユニーク。味付けは、トルコ料理に欠かせない手作りのトマトペースト(サルチャ)と塩がメインです。窯焼きでじっくり調理されるので肉と野菜の旨みがたっぷり出る絶品料理です。
そんなカッパドキアの名物グルメが堪能できるおすすめのレストランが「オリエント・レストラン(Orient Restaurant)」です。カッパドキアの老舗レストランで、農家と契約して仕入れるカッパドキア牛を使った料理は絶品です。壺焼きケバブ以外にも、カッパドキア牛のフィレミニョンステーキも地元のビジネスマンに大人気です。
【スポット情報】
オリエント・レストラン(Orient Restaurant )
No 3, Adnan Menderes Cd., 50180 Göreme Belediyesi/Nevşehir
+90 (0384) 271 2346
www.orientrestaurant.net
カッパドキアへのアクセス
イスタンブールからカッパドキアまでは、飛行機で約1時間で到着します。カッパドキア周辺には2つの空港が存在します。エアラインは、トルコ航空とペガサス航空の2社が運航しています。
- カイセリ(ASR)空港
観光の中心地(ギョレメ)までは車で約1時間。便数が多く利用しやすいです。小さな空港ですが、国際線からの乗り継ぎで到着の場合、免税店も利用可能です。
- ネブシェヒル(NAV)空港
ギョレメまでは車で約40分。現在、イスタンブールからの国内線は1日3本のみです。
空港から宿泊地までは、数社ある空港シャトル運行会社を利用するのが安くて便利です。席に限りがあるため、宿泊先を通して事前予約する必要があります。
日本ではなかなか経験することの出来ない大自然に魅了され、カッパドキアのリピーターになる方も数多くいらっしゃいます。死ぬまでに一度は訪れていただきたい世界遺産です。
筆者プロフィール
地球の歩き方 カッパドキアWeb特派員 横溝 絢子
2011年春よりトルコ在住。現地で旅行コーディネーターをしながら、カッパドキアの女性が内職した伝統のオヤ(トルコのレース編み)アクセサリーを日本向けに紹介しています。カッパドキアの旬な情報を地球の歩き方 カッパドキアWeb特派員ブログからお届けしています。