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プロフェッショナルの感性を刺激する旅Vol.21~ビーチタオル・プロデューサー山口裕美子さんのハワイ・カイルア

プロフェッショナルの感性を刺激する旅先と、その思い出をお聞きするインタビューコンテンツ。今回は、ビーチタオル・プロデューサー山口裕美子さんに、お仕事への思いや、ハワイ・カイルアの魅力についてお話を伺います。

自らを“自由すぎる主婦”と称する山口裕美子さんは、その“ゆるふわ”な雰囲気からはまったく想像できないほどタフなビジネスマインドの持ち主。現在は、極薄マイクロファイバー生地のビーチタオルブランド「The Beach Chic(ビーチシック)」を立ち上げ、ECサイト上にて展開しているのですが、単なるサイト運営者とは一味も二味も違っています。

なんと山口さんは、自らが交渉し開拓した中国の工場に依頼して、自らがデザインしたタオルを製造し、さらに、それを自らが立ち上げたWEBサイトにて販売。しかも、主婦として家事や子育てをしながら、そのすべてのビジネスフローを一人で手掛けているというから驚きです。

「経営者である私の父が、中国の青島にバッグの検品工場をもっていまして、私の夫がその経営を任されることになって、家族で赴任しました。それから4年半にわたって、私は専業主婦生活を続けていたのですが、息抜きと称して毎年、子供と2人で大好きなハワイ旅行に出かけていたのですね」

ある時、ハワイに住むイタリア人の友人が持ってきた“イタリアで流行っている”という、一枚の薄いビーチタオルに出会います。

「使ってみると、ものすごくいい。けれども、日本では売っていない。ふとタグを見てみると“Made in China”とあったのですよね。そこで、直感的に、“これ、中国で作って日本で販売しよう”と思い立ったのです」

結婚前には料理雑誌の編集に携わったり、著名な料理研究家のマネジメント経験はあったものの、ビジネスを立ち上げるのははじめてのこと。しかし、その後の山口さんのアクションは驚くほどアグレッシブなものでした。

「中国に戻ったら、すぐに工場探しをはじめましたね。こんなビジネス経験もない主婦が一人で交渉に出かけたら、日本であればすぐに門前払いなのでしょうが、中国ではウェルカム。相手がどんな会社なのかも気にしない。投資やビジネスが大好きなチャレンジャーが多い国なんです。サンプルを持参して“これを作って、日本で売る”という話をしたら、けっこう興味をもってくれるのですね」

中国は、低コストでモノづくりができる。だから、失敗しても痛くないなという大前提があったといいます。“お小遣いの範囲内でチャレンジして、売れなかったら、友達にあげればいいや”と。

「とにかく、負担にならない範囲でやるだけやってみて、自分の力を試してみようと思いました。これくらいだったら、たとえ失敗しても思い出になるしと、そんなノリで進めていったのですが、やりはじめたら面白い。デザインも自分でやろうと思ったのですが、私はイラストレーターが使えないので、妹に手書きの絵を渡して、“こんな感じでやって”って頼みましたね(笑)」

自らが満足のいく生産体制を確保し、満足のいくデザインを施したタオルがようやく完成。それを手にした山口さんは、販売活動に乗り出します。

「販売戦略も何もなく、ずっと一人で脳内会議して逡巡しながら、とにかく大それたことは考えず、今の段階でやれるところまで個人でやってしまおうと思いました。日本に帰国するタイミングでECサイトを立ち上げました。最初は、お客さまといえば家族か友達でしたが、先月、はじめて雑誌のイベントに出展したら反響を得たのですね。それ以来、私の知人ではない人からも注文がくるようになって(笑)。本当に少しずつですが、前に進んでいる実感があります」

山口さんは、このビーチシックタオルを実際に自分が使ってみて、本当に良いものだと実感したからこそ、友人を含め、多くの人に自信をもってお勧めできるのだといいます。

「ペラペラに薄いマイクロファイバー生地なので、コットンタオルに比べて半分以下のコンパクトサイズ、4倍の速乾性という特徴を持っています。ビーチやプールでの利用に便利であるのはもちろん、ヨガやスポーツクラブ、登山、キャンプなど、様々なシーンでいつでもご活用いただけます。旅で言うならば、私のような子連れ旅や、荷物を最小限に抑えたいバックパッカーの方にもおすすめです。先日もお客様から、LCCに乗るときブランケットとして使えて便利だった!とのメッセージをいただきました。」

ハワイ・カイルアですべてが繋がった

そんな山口さんが、印象深い旅先としてあげたのは、もちろんマイクロファイバーのタオルとも運命的な出会いがあったハワイ。

「子どもと二人でハワイに行く機会が多かったのですが、買い物をさせてもらえないので、ワイキキではなく、海がきれいな場所ならお互いに楽しく過ごすことができるだろうと、カイルアの街で過ごすようになっていたのですね。海から歩いて一分のコテージで毎年、暮らすように滞在していたのですが、イタリア出身のオーナーが、例のタオルを私に紹介してくれました。ハワイという特別な環境の中で実際にタオルを使用して、そのすごさに感動している最中、さらに“Made in China”のタグを目にする…。その瞬間目にした光景は今でも脳裏に焼き付いています」

しかし、その出会いは決して、単なる偶然の産物ではありませんでした。いずれは大好きなハワイに移住をしたいという山口さんの夢が生んだ必然だったといえます。

「ハワイに住むためには、ここでどうやって仕事をしていくかという、将来のためのヒントを常に探していたのです。ビーチと親和性の高いタオルであれば、ここを拠点にビジネスができると思いました。夢を実現するためには、ただ考えているだけでなく、少しずつ準備していく、ちょっとでもいいから一歩踏み出していく。そんな思いから、小さな小さなビジネスをはじめてみたのです」

編集職やマネージャーという仕事経験の中で、主体的に何かを発信するという機会には恵まれなかった。何かをやりたい。でも、それが見つからないままに結婚し、子どもを出産して育てる中で、外に働きにいくのが難しくなってしまった。それでも、チャンスを見つけて、活かしたいという思いが根底にあったのだといいます。

「女性は、結婚、出産を通じて、家族に自分の人生をあわせて生きる時期があります。子育て中は、まともな会話といえば、スーパーの店員さんだけなんて日や、海外転勤についていけば、その会話すらままならない中で家事と育児に追われた生活の中に埋没してしまう。そんな環境でも、その時の自分にできることを努力すればいいと、今いる状況を前向きに受け入れて、最善を尽くすことの大切さを、私が以前マネージャーをしていた料理研究家の先生から教わりました」

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世界中の海をめぐりビーチシックタオルを行商したい

そんな山口さんの夢は、世界中のビーチを巡りながら、このビーチシックタオルを営業して回ること。ビーチに面したリゾートホテルに交渉してタイアップを進めたり、ビーチショップに並べてもらえるよう商談をしたりと、その夢は限りなく広がっていきます。

「ハワイだけでなく、沖縄も好きなんですよね。次の戦略として、沖縄向けのデザインサンプルを作って、行商をしてみようかと思っています。これ、けっこういけるんじゃないかなって、考えるだけでも楽しいですし。沖縄に行けるだけで幸せです」

海外では、タイのホアヒンに強く惹かれるといいます。

「タイのホアヒンというリゾート地も素敵そうですが、そこから海を渡った先にある、神秘的なクーハーカルハット宮殿へ冒険の旅をしてみたいです。もちろん、そこに旅をしつつ営業みたいな(笑)。これが趣味なのか実益なのかと問われれば、確かに、ありがたいことに生活を支えるためのものではありませんが、でも趣味として、ほんわかしたまま終わりたくもないと考えています」

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ビジネスと主婦業の両立を図りながら、パワフルに活動する山口さんにとっての旅とは、その大きな夢を実現する手段のひとつなのかもしれません。

山口裕美子さん http://www.thebeachchic.com/ https://www.instagram.com/the_beach_chic/

インタビュアー:伊藤秋廣(エーアイプロダクション

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