1. 松の緑色とのコントラストも美しい「景福宮(キョンボックン)」
ソウルの中心部にあり、バスや地下鉄でアクセスできる「景福宮(キョンボックン)」。明洞や益善洞、仁寺洞などの人気エリアからも徒歩圏内です。

そんな景福宮は朝鮮王朝(李氏朝鮮)の太祖である李成桂によって建設され、1395年から約200年間にわたって正宮(王宮)として使用されていた宮殿。ソウル市内の五大古宮の中で最大の規模を誇り、敷地面積は15万坪。国立民俗博物館も併設されており、景福宮で一日中過ごせてしまうほど見どころの多い場所です。

景福宮には数多くの文化財があり、正殿である勤政殿、世宗大王の時代にハングルが作られた場所があった修政殿、王の執務室だった思政殿、王妃の寝殿の交泰殿など、その建築や内部装飾には目を見張るものがあります。勤政殿を守る十二支の石像など、ユーモラスな装飾も見応えたっぷりです。

そんな景福宮は、観光客も地元客も訪れる定番の紅葉スポットとしても広く知られています。塀の外からも黄色い銀杏の葉が見えますが、正門から最奥部にかけて、敷地の全体が色とりどりの紅葉で彩られ、秋の訪れを教えてくれます。

常緑樹である松の緑色とのコントラストも美しく、その光景を写真に収める人もたくさん。最奥部の池に映る紅葉も見物です。心が温まるような、素敵な秋の思い出になることでしょう。
2. 人気ドラマのロケ地「昌徳宮(チャンドックン)」
ソウルから地下鉄で20〜30分の場所にある「昌徳宮(チャンドックン)」は、1405年に景福宮の離宮として建設された宮殿で、世界遺産に登録されています。近年では、人気韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』のロケ地となったことでもよく知られています。

昌徳宮はソウル市内にある5つの歴史的な宮殿「五大古宮」のひとつで、なかでも最も保存状態のよい宮殿だといわれています。色鮮やかな木造建築からは、王族たちが暮らした当時の様子が思い起こされるようです。

そんな昌徳宮はソウルでも指折りの紅葉スポットとして知られており、11月の1〜2週目ごろまでがベストシーズンといわれています。入り口近くの紅葉は、写真待ちの列ができるほどの人気だそう。

なかでも小高い丘や谷間といった自然をそのまま生かした韓国有数の庭園である後苑は、特に紅葉が美しいと評判です。尊徳亭のあたりには大きな銀杏の木があり、池に黄色の落ち葉が浮かぶ様子は秋の風情たっぷり。ほかにも芙蓉池や不老門、演慶堂、愛蓮池など見どころがたくさんありますが、後苑観覧は制限があり、専門ガイドの同伴が必要です。

3. フォトスポットがたくさん「ソウルの森」
ソウル市内に位置し、漢江沿いにある「ソウルの森」。もとは朝鮮時代に国王が鷹狩りを行う鷹場があった場所で、その後、競馬場、ゴルフ場などを経て、2005年に公園としてオープンしました。
「自然生態の森」「自然体験学習園」「文化芸術公園」「湿地生態園」「漢江水辺公園」の5セクションで構成されていて、鹿が放し飼いされているエリアがあったり、バタフライガーデンがあったり、噴水ショーが行われる噴水があったりと、大きな敷地を生かしたさまざまな施設があります。

「ソウルのセントラルパーク」とも呼ばれるソウルの森は、市民の憩いの場でもあります。芝生が広がる広場では、ピクニックや日光浴を楽しむ人も。好きなアスレチック遊具や、小川に設けられた水遊び場では子どもたちが楽しそうに遊んでいます。敷地内の池のほとりにはカフェテリアや売店があるので、公園の景色を楽しみながら一休みしてもいいですね。
そんなソウルの森は、秋が深まるにつれて園内全体が紅葉で美しく色づきます。公園の9番出入り口前にある「서울숲(ソウルの森)」とハングルで書かれたオブジェの前をはじめ、群馬像、メタセコイアの道や鏡の池など、紅葉フォトスポットがたくさん。

ソウル特別市の自転車レンタルサービス「タルンイ」の自転車に乗って、秋景色の公園内をのんびり走り、紅葉を満喫するのもおすすめです。また、ソウルの森から漢江へと続く歩道橋の上は眺めがよいことで有名。夕暮れ時は特に絶景となるので、散策の帰りに寄ってみてはいかがでしょうか。
4. ケーブルカーや展望台からの紅葉も楽しめる「南山(ナムサン)」
ソウルの旧市街の南側にある「南山(ナムサン)」は海抜262メートルの山で、頂上にはソウルのランドマークとして知られるNソウルタワー(南山ソウルタワー)があります。頂上まではケーブルカーで登ることができ、展望台からのパノラマビューは外国人が選んだ観光名所の第1位に選ばれたことも。山を登っていく途中には南山図書館、南山野外植物園などもあり、見どころの多いスポットです。

南山を大きく囲むプロムナードは、秋が一番美しいことから「秋の紅葉道」と呼ばれています。プロムナードは南山北側循環路、南山南側循環路(梨泰院路)、小月路、南山野外植物園という4つのコースに分かれますが、なかでもおすすめなのは、南山南側循環路。国立劇場交差点から南山3号トンネルまでの全長1.3キロメートルにわたる散策コースで、登っていくと色とりどりの紅葉が眼下に広がります。

カエデで赤や黄色に染まった山は、秋の日差しを受けて輝くよう。さらに上へ登って、南山ケーブルカーや南山ソウルタワーの展望台からも、紅葉を楽しむことができますよ。