スカイスキャナー ニュース <海外特派員レポート④>かつての「島」の姿を取り戻した、モン・サン・ミッシェルの楽しみ方

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<海外特派員レポート④>かつての「島」の姿を取り戻した、モン・サン・ミッシェルの楽しみ方

ユネスコに登録された世界遺産が40以上もあるフランスの中でも、最も人気と知名度が高く、誰もが「一度は行ってみたい」とその名を挙げる“モン・サン・ミッシェル”。その神秘的な外観からも想像できるように、カトリック巡礼地のひとつでもあり、海に浮かぶ小島に建設された修道院です。

モン・サン・ミッシェルは、フランス西海岸、イギリス海峡に面したサン・マロ湾に浮かんでいます。大航海時代から18世紀までフランス最大の港といわれ、栄華を誇っていたサン・マロ。1700年以降は、アメリカ大陸へ向かう船団の拠点になり、遠洋漁業なども栄え、活気あふれる港町として人々を支えてきました。しかし、1900年代に戦火に焼かれ、その城壁の大半を失います。後の人々がその時の瓦礫を使って修復したことで、かつての姿を取り戻したのが今日のモン・サン・ミッシェルです。

画像:モンサンミッシェル西側からの遠景

フランス激動の歴史をその内部にも刻んでいるモン・サン・ミッシェル。この秋、そんなあなたの憧れを叶える旅をしてみませんか。今回は、パリ市内でジャーナリストとして活躍している、地球の歩き方 パリ特派員の加藤さんに、モン・サン・ミッシェルの見どころをレポートして頂きました。

■モン・サン・ミッシェル名物「ラ・メール・プラール」のオムレツ

画像:「ラ・メール・プラール」のオムレツ

オムレツとプレ・サレといえば、フランスの誰もがモン・サン・ミッシェルの名物料理として思い浮かべるものです。王の門と呼ばれる島内入口付近にあるレストラン「ラ・メール・プラール」のオムレツは、かつてモン・サン・ミッシェルを訪れる巡礼者向けに作られていた料理として有名です。

画像:オムレツを作るため卵をメレンゲ上に泡立てる

メレンゲのようにふわふわに泡立てた大きなオムレツを、銅製のフライパンを使い、かまどで焼くシェフの姿は、モン・サン・ミッシェルを代表する景色の一つともいえます。このレストランで買うことのできる自家製クッキーも、定番お土産として人気です。

画像:「ラ・メール・プラール」のオムレツ用かまど

画像:レストラン「ラ・メール・プラール」外観

プレ・サレとは、モン・サン・ミッシェル周辺で育てられた仔羊の肉を指します。このあたりは満潮時に大地がすべて海水に覆われてしまう“ハーバス“という土壌になります。土地の草は海水の塩分やミネラル、ヨードなどの成分を含み、これらの牧草を食べて育った仔羊の肉は、ほのかに海の香りがつき、肉質も繊細で柔らかく、この地方独自の味わいで、一度食べればやみつきになります。

料理とお酒はフランス料理にとってはなくてはならない組み合わせです。ノルマンディー地方の地酒はワインではなく“シードル“というリンゴから造られるお酒。ノルマンディーは気候的に寒くブドウの栽培に適していないため、昔からリンゴでお酒を造ってきた、という歴史があります。口当たりはさっぱりとし、軽くて飲みやすく、クリームをふんだんに用いる地元の料理との相性は抜群。

フランスに訪れたならチーズも忘れてはいけないポイントです。ノルマンディー地方を代表するチーズといえば、日本でも一般的になった「カマンベールチーズ」です。“チーズの女王”とも称される世界中で人気のカマンベールチーズは、ノルマンディー地方カマンベール村原産です。地元産にこだわりたい方は製品表示に“カマンベール・ド・ノルマンディー”と表示されているものを購入すると間違いはないです。この表記はフランスの法律上ノルマンディー地方の指定地域で、定められた製法で造られたホンモノの「カマンベールチーズ」にのみ名乗ることの許されたものです。

■憧れの風景の一部に、モン・サン・ミッシェルで泊まるならこんな宿

画像:ホテル街近くで行われていたマルシェ

モン・サン・ミッシェルといえばポスターや広告にもなる遠景から撮影される島全体の美しい外観が注目されますが、その内部も修道院まで続く「グランド・リュ」と呼ばれる参道や、わき道に見える石畳の小路、ロマネスク様式からゴシック様式まで、変化の過程が楽しめます。もし、2日宿泊できるなら、対岸と島内でそれぞれ宿泊してみてはいかがでしょうか。

画像:島のメインストリート「グランド・リュ」

対岸にはホテル街があります。そこに宿を取れば、朝日と夕日を背景にしたモン・サン・ミッシェルという最高のショータイムを堪能することができます。ホテルによっては部屋の中からモン・サン・ミッシェルを眺めることもできます。ここには、世界的なチェーン展開をしているホテルもあり、どれも近代的。建物も新しいので設備も快適です。写真撮影目的であれば、付近にあるクエノン河口ダムがおすすめです。

画像:クエノン河口ダムから望むモンサンミッシェル

一方で、道も狭くて坂や階段も多く、石造りのレトロな建物が目立つ島内ですが、それこそがモン・サン・ミッシェルの醍醐味でもあります。修道院と同じで何世代にも渡り、時には戦乱もくぐり抜けて営まれてきた島内の生活が、その場所に息づいています。夕方、観光客が去った後の静かな島内、ぼんやりと灯される家々の灯り、まるで中世の時代に戻ったかのような錯覚を覚える幻想的なモン・サン・ミッシェルを散策しつつ、その風景にあなた自身を溶け込ませてみてはいかがでしょうか。

画像:島内からのモンサンミッシェル正面外観

■復元工事も終わり、かつて訪れたモン・サン・ミッシェルにもう一度

秋は旬の食材が特に豊富で、農業大国のフランスはどこへ行っても自然の恵みを味わうことができます。モン・サン・ミッシェルのあるノルマンディー地方は夏が短く、寒い時期が長く続きます。冬場はオフシーズンとなり、観光客も減ります。そのため、夏の盛況な時期に比べてゆっくりと余裕をもって見学することができるため、わざわざ冬場を狙って訪れる観光客もいます。気温のおかげで溶ける心配がないので、特産品のバターも持ち帰りやすいというメリットもあります。

2006年から始まった、モン・サン・ミッシェル周辺の海洋環境を保護し、修道院が綺麗な水に囲まれる本来の姿を取り戻すための復元工事が2015年に完了しました。

画像:モンサンミッシェル湾に広がる砂州

また、2014年には対岸と島をつなぐ堤防道路を取り壊し、水が自由に循環できる低い橋に変わっています。

画像:対岸と島を結ぶ新しい橋とモンサンミッシェル

モン・サン・ミッシェルはかつての「島」の姿を取り戻しています。過去に訪れたことがある方も、生まれ変わったモン・サン・ミッシェルをもう一度、ぜひ観に来て、そして体感してください。

画像:モンサンミッシェルのサンセット

アクセス:パリ モンパルナス駅からTGVでレンヌまで約2時間。レンヌ駅北口より約50メートルのところにあるバスターミナルから直通バスを利用。

画像:対岸と島を結ぶシャトルバス

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