- もくじ
1. 宿泊先は治安の良い場所に

安全に海外女子一人旅を楽しむうえで、宿選びはとても大切です。真っ先に気を付けたいのが、宿泊場所は治安の悪いエリアを避けるということ。
海外の大都市には、危険エリアや地元の人も警戒するエリアがあることが多く、そうしたエリアでは、その都市の相場よりも宿泊料金が安く設定されている傾向にあります。「中心部のわりに宿泊料金が安いと思ったら、雰囲気の悪いエリアだった」ということは珍しくありません。
日本では、「駅近=便利」という認識ですが、ヨーロッパの大都市などでは、主要駅周辺は治安が良くない場所も少なくないので、駅からある程度離れたところに泊まったほうがいいこともあります。
治安の悪い場所を避けるには、ガイドブックやインターネットの治安情報を参照するほか、ホテル予約サイトの口コミを確認するのも効果的。「宿が赤線地帯のようなところにあって驚いた」「周辺の治安が良く、安心して滞在できた」など、周辺環境や治安に対する口コミが書かれていることも多々あるので、予約前に、宿泊者の口コミを確認しておくと安心です。
2. 移動は明るいうちにする

効率だけを考えるなら、観光のできない早朝や夜に移動するのが効果的。ですが、安全に旅するなら、移動は明るいうちにするのが鉄則です。大きな荷物を持っている移動中は、一目で旅行者だと分かってしまうタイミング。ただでさえ気を付けなければならないのに、外が暗い早朝や夜に移動するのはさらに危険です。
旅先にもよりますが、筆者の場合は朝7時以降に移動を開始し、夜19~20時までには移動を終えることを原則としています。ただし夏のヨーロッパは21~22時頃まで明るいので、多少遅れても大丈夫。移動スケジュールを組む時は、現地の日の出・日の入り時間を確認して予定を立てるといいでしょう。
3. 現地の感覚に合わせた服装を
海外旅行先では、現地の感覚からかけ離れた服装や、悪目立ちする服装は避けるべき。特にイスラム圏や保守的な国を旅する際は、現地の文化を知り、それに合った服装を心がけることが大切です。
筆者の場合、トルコやモロッコなどのイスラム圏や、インドなどの保守的な国を旅する際には、お尻が隠れるゆったりしたブラウスに、身体の線が出ない長ズボンを合わせ、首元には薄手のストールを巻くのが基本スタイル。身体のラインを隠すボトムとしては、ガウチョパンツなどがおすすめです。
場所に関係なく、平気で肌や身体のラインを見せている欧米人女性は少なくありませんが、甘くみられがちな日本人女性がそれを真似するのは危険。参考にするなら、他の旅行者ではなく、現地の女性のスタイルを真似るようにしましょう。
現地の人とそっくり同じ服装をする必要はありませんが、現地の女性がよく身に着けるようなシルエットの服を着るだけでも、「わかっている」雰囲気を出すことができます。
4. 無防備に地図やスマホを見ない
海外旅行先で、できれば避けたいのが、路上で無防備に地図やスマホなどを見ること。観光地ではよくある光景ですが、「私はここの土地勘がありません」と宣言しているようなもの。治安の良くない場所では、スリやひったくりなどの犯罪被害に遭う可能性が高まります。

かといって、地図を見ずに旅行するわけにもいきません。街歩きの前にホテルやカフェなどでだいたいの道順を頭に入れておけば、路上で確認する回数が減らせます。また、スマホを使うときは、道路側に立たないこと。道路側に立ってスマホを操作していると、バイクによるひったくりに遭う危険性があるので、お店の軒先など人の行き来の少ない場所でスマホを取り出すようにすると安全です。
5. 流しや客待ちタクシーは極力避ける
流しのタクシーを安全に利用できる国や都市もありますが、そうでない限り流しのタクシーはできるだけ避けたいところ。密室状態のタクシーは、ドライバーに悪意があれば何が起こるかわかりません。ホテルやレストランなどで顔の見えるタクシーを呼んでもらったほうが安心して利用できます。

流しのタクシー以上に避けたいのが、観光地などで客待ちをしているタクシー。暴力沙汰に発展することは滅多にないにしても、外国人旅行者を狙って客待ちをしているタクシーは、ぼったくり率が非常に高いので、向こうから声をかけてくるドライバーには耳を貸さないのが賢明です。
現地の空港に着いた途端、「タクシー?」と勧誘されることもありますが、白タクの可能性もあるので、必ず正規のタクシー乗り場から乗車するようにしてください。
6. 高価なものや高価そうなものは身に着けない

「旅行中もおしゃれをしたい」と考える女性は少なくないと思いますが、身の安全を考えるなら、ブランドもののバッグなど、高価なものは持たないほうが無難です。また、実際には高価でなくても、大きな石のついたアクセサリーや時計など、高価に見られかねないものは外しておいたほうがトラブルになりません。お金持ちそうに見える格好は、必要以上に目立ちますし、スリやひったくりのターゲットになりやすいからです。
かといってみすぼらしい格好をすればいいかというとそうでもなく、一番いいのは目立たず現地の人々に溶け込める、適度にカジュアルな服装です。おしゃれなレストランで食事、オペラ鑑賞など、TPOに合わせてドレスアップしたいときは、安全な交通手段を確保したうえで、一度ホテルに戻って着替えるといいでしょう。
7. ここぞというときはお金で安全を買う
旅の予算は人それぞれ。ゴージャスな旅行をするのも、節約旅行をするのも個人の自由ですが、たとえバックパッカーのような節約旅行でも、ここぞというときはお金で安全を買うことを忘れてはいけません。
例えば、夜遅くに現地の空港に到着する場合は、空港送迎サービスのあるホテルを予約し、送迎を依頼する、夜行列車は一等車を選ぶなどです。ホテルの空港送迎サービスは、一般のタクシーよりも高くつくことが多いですが、ホテルがドライバーの素性をわかっているので安心。空港から市内への移動時、都市間移動時は、特に犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性があるので、多少のお金でリスクを減らせるなら安いものです。

筆者はこれまでに世界60カ国を旅し、うち40カ国以上が一人旅ですが、幸いにも大きなトラブルに巻き込まれたことはありません。
それは、これら7つの安全対策を実践していることに加え、そもそも「危険」「治安が悪い」と言われている場所には極力行かないようにしているからでもあります。
旅先を選ぶ際には、外務省の海外安全ホームページなどを確認したうえで、できるだけリスクの低い場所を選ぶようにすれば、安全対策ばかりに気を取られることなく、一人の時間を満喫できますよ。
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春奈 (トラベルライター)
和歌山出身の元会社員。旅先でドイツ人夫と出会い、ドイツ移住を機にフリーランスのトラベルライターに転身。これまでに世界60カ国280都市以上を訪問。バックパッカーから、5つ星ホテルに泊まる贅沢旅行まで、多彩な旅のスタイルを経験。街歩きが大好きで、なかでも「旧市街」「歴史地区」と呼ばれる場所に目がない。現在は日本在住。
旅の予定が決まっている人は、「【保存版】旅行前に必見!旅の持ち物リストと女子旅お役立ちアイテム」もぜひ参考にしてくださいね。