スカイスキャナー ニュース <海外特派員レポート③>逆さ富士ならぬ、逆さサグラダ・ファミリアを見る旅、バルセロナの過ごし方

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<海外特派員レポート③>逆さ富士ならぬ、逆さサグラダ・ファミリアを見る旅、バルセロナの過ごし方

スペインが誇る偉大な天才建築家、アントニ・ガウディの未完ながら最高傑作といわれる「サグラダ・ファミリア」(聖家族教会)を有するバルセロナ。その完成はガウディ没後100年にあたる2026年頃といわれています。ローマ時代から続く、バルセロナにまつわる悠久の歴史を振り返れば、サグラダ・ファミリアの完成もあっという間に感じるような錯覚を覚えます。バルセロナにはこの他にもグエル公園やカサ・ミラなど、ガウディ建築がいっぱい。この秋は、建築と、歴史の息吹を感じながら散策するバルセロナ旅行はいかがでしょうか。

今回は、美しいバルセロナの街に魅せられ、2004年より現地企業に転職をされ、本業のかたわら、地球の歩き方 バルセロナWeb特派員としても活躍している岸田さん提供の現地情報をお届けします。

■スペイン版飲茶、“タパス”文化に欠かせないスペイン料理のエトセトラ

日本でもスペインレストランの出店などで聞き慣れるようになった“タパス”。タパスとは、スペイン料理のオードブルのことで、温・冷関わらず多種多様な小皿料理を、会話を弾ませながらワインとともに嗜むスペインの食文化には欠かせないものです。香港の飲茶にたとえると、日本人にはわかりやすいかもしれません。

まずご紹介するのが、タパスの基本中の基本「パンコントマテ」(pan con tomate)。バルセロナのあるカタルーニャ地方では、オーブンで軽くトーストしたパンの表面に、ニンニクを風味付け程度にこすりつけ、半分にカットしたトマトを擦り込むように塗り、仕上げはオリーブオイルと塩で完成。ニンニクもペーストしたものではなく、トマトもソースではなく、野菜そのものを擦り込みます。レストランによっては、テーブルに素材のまま出されることもあるので、その時はご自分で、パンに思う存分擦り込んでください。イベリコ豚のハムとの相性は抜群です。

次にご紹介するのは「エスカリバーダ」(escalivada)。カタルーニャ地方特有の一品です。ナス、赤ピーマン、トマト、玉ねぎをオーブンで強めに焼き、中身がしんなりするまで蒸し焼きのような状態にするのがコツです。味付けはニンニク、塩、オリーブオイルだけのお手軽野菜料理です。揚げ物や脂っこいものが多く出てくるタパスの中では、箸やすめならぬ、“フォークやすめ”的な存在かもしれません。

そして、スペインの祝日“諸聖人の日”(11月1日)にあわせて食べられるカタルーニャ地方の祝い菓子、「パナジェッツ」(panellets)。これもバリエーション豊かですが、カタルーニャでは、粉アーモンド、サツマイモ、砂糖、卵をベースにしたペーストをお団子状にして松の実をまぶし、オーブンで焼いたものが定番。最近では、若い人向けにチョコレートを練り込んだものや、ココナッツをまぶした、よりスイーツっぽくなったパナジェッツをカフェなどで出すお店が増えています。

■テラスに出れば、そこに聳えるサグラダ・ファミリア。バルセロナで泊まるならこんな宿

おすすめしたいのは、テラスからサグラダ・ファミリアが見える宿として現地で評判の「Ayre Hotel Rosellon」(アイレホテル ロセリョン)です。早朝の起きぬけに目覚めのコーヒーを飲みながら、一日バルセロナ観光を楽しんだあと、ワインで一日を振り返りながらなど、テラスから見える早朝と夜の静寂に包まれたサグラダ・ファミリアを堪能できるのはここだけ。

また、このエリアにはサグラダ・ファミリア以外にも、世界遺産登録されているサン・パウ病院やグエル公園などもあるので、バルセロナ観光の拠点としても最適です。ただし、サグラダ・ファミリア周辺のホテル数は少なく、満室になっていることが多いので、お早目のご予約を。


Ayre Hotel Rosellon(アイレホテル ロセリョン) 住所:C/ Rosellón 390, 08025, Barcelona – Spain ホームページ:http://www.ayrehoteles.com/en/hotel-rosellon/

■富士山だけじゃない、“逆さサグラダ・ファミリア”と、秋冬のみどころ

葛飾北斎も富嶽三十六景で描いた、河口湖に映る逆さ富士。サグラダ・ファミリア前の公園の池でも同じ現象が起き、“逆さサグラダ・ファミリア”を見ることができます。

秋冬は日の入りも夏に比べて早くなる為、夜が早めに訪れます。20~21時頃が狙い目ですが、気温が低くなり、空気が澄むので、シルエットが綺麗に反射する瞬間が訪れます。これを、“逆さサグラダ・ファミリア”といいます。ウユニ塩湖など、最近の“逆さ”ブームに便乗して、日本でもこれから流行する兆し!?

11月の後半からは、バルセロナの街全体がクリスマスイルミネーションに彩られ、12月の初旬からは、1786年から続く伝統あるクリスマスマーケット(Fira de Santa Llucia)が、サグラダ・ファミリア周辺で開かれます。装飾された松ぼっくりや小さなもみの木など、伝統的な飾りを売る屋台や、カタルーニャ地方独特の人形「カガ・ティオ」(CagaTio)など、この時、ここでしか買えないものがたくさんあります。

また、建設中のクレーンのある鐘塔で有名なサグラダ・ファミリアの人気撮影スポットでもある、 “生誕のファサード”に、ここ数年、クリスマス時期にだけハシゴがかけられ、塔にあるイエス・キリスト像を間近で観賞することのできるイベントが催されています。天才ガウディの残した緻密で芸術性溢れる彫刻を近くで見る大チャンス。行事そのものがいつ取りやめになるかわからないので、貴重な機会です。もし、ハシゴと行列を見かけたら、迷わず並んでみてください。

■スペイン流“ブランチ”を優雅に楽しむ、バルセロナでの週末の過ごし方

もともと、スペインにあった古い習慣の“ベルムート”。週末の昼食前に、その名を冠するベルムートという白ワインをベースに様々なスパイスやハーブを混ぜたお酒を、さきほどご紹介したタパスとともに嗜むという、スペイン流の“ブランチ”ともいうべき習慣です。

最近は、ベルムートを専門とするレストラン、“ベルムテリア”(Vermuteria)もよくみかけるようになりました。自家製のものを出すお店も登場して、話題のお店や人気店なんかもあります。これらベルムートの定番タパスは、ムール貝、アサリ、マテ貝などの缶詰や、ポテトチップスのソースがけ、オリーブなどです。食べることと、食事を囲んでの会話が何よりも大好きなスペイン人の愛すべき習慣。これからますます、バルセロナで見かける光景になりそうです。

バルセロナで過ごす週末、まずは軽めのワインとタパスでお腹を満たし、地中海性気候のもつイメージ通り、ゆったりとした時間を過ごしたいですね。

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