航空会社の格付け調査を行うスカイトラックス社が、2019年6月に「ワールド・エアライン・アワード」を発表しました。スカイトラックス社がオンライン上で100カ国以上、2000万人以上の航空利用者を対象に独自の調査を行い、集計した結果により各部門のランクが発表されます。
その中で気になるのは、やはり私たちがよく利用するエコノミークラス部門のランキング「ワールド・ベスト・エコノミークラス(World’s Best Economy Class Airlines 2019)」。あなたの利用している航空会社は選ばれているでしょうか?気になる日本の航空会社のランクインは?発表された20位のうち、栄えある上位5位に選ばれた航空会社をご紹介いたします。
第1位 JAL

(C)Japan Airlines
第1位に選ばれたのは、日本の航空会社「JAL」でした。「ワールド・エアライン・スター・レーティング」の最高ランクである「5スター」の評価を得たJALは、エコノミークラスにおいても、ナンバーワンに選ばれました。
エコノミークラス国際線機内食では、料理コンペティションで入賞したシェフのメニューや日本の有名店監修メニュー、牛丼の吉野家やモスバーガーとコラボしたAIRシリーズなど、従来のエコノミークラスの機内食のイメージを大きく覆しました。「食事が楽しみで、JALに乗りたい」を機内食の理念に掲げるだけあり、JALの機内食はエコノミーでもおいしいと乗客に評価され、エコノミークラスの機内食を評価する「Best Economy Class Airline Catering」でも第3位を獲得しています。
2019年5月22日~2020年12月末頃までは、嵐のメンバーの顔が機体側面に登場する特別塗装機「ARASHI HAWAII JET」が、成田、名古屋、大阪からハワイまで飛びます。嵐のメンバーはハワイ気分が盛り上がるアロハシャツを着ており、左右で異なるデザインなので、ファンは見逃せませんね。
エコノミークラスの座席は、世界で最も優れていると認められ「ベスト・エコノミークラス・エアラインシート」賞を受賞(3年連続4度目)。世界の航空会社の中で唯一、座席幅にゆとりのある2-4-2の横8席配列(ボーイング787型機)を採用しています。エコノミーでも、ゆったり座れますね。

(C)Japan Airlines
JAL国際線エコノミークラスの座席について
(最新機ボーイング787-8型機の場合)
【座席配列】世界の航空会社の中で唯一、座席幅にゆとりのある2-4-2の横8席配列【シートピッチ】約84cm
【シート幅】48㎝
【個人モニター】10.6インチ タッチパネル
【PC電源】あり
【USBポート】あり
【WiFi接続】可能(有料)
【トイレ】ウォシュレット(温水洗浄便座)
第2位 シンガポール航空

(C)Singapore Airlines.
第2位は、シンガポール国営の「シンガポール航空」でした。美しい民族衣装「サロンケバヤ」のユニフォーム、高品質のサービスで安定して評価の高いエアラインです。
エコノミークラスでは珍しく、機内食のメニュー表や歯磨きセット・機内用靴下のアメニティを全員に配布してくれるのが嬉しいですね。出発時間もオンタイムと評判です。日本発着便は日本人客室乗務員も搭乗しているので、英語に不安がある人も安心。
2019年7月から12月まで、東京(羽田・成田)および名古屋―シンガポール路線のエコノミークラスでは、栄養バランスに優れた「スーパーフード」を取り入れた機内食が提供されます。キヌア、スペルト小麦、枝豆、ブロッコリーなどのスーパーフードが含まれており、機内で身体に良いものを食べて欲しいという想いが表れています。乗客の立場で健康を考えた機内食は、エコノミークラスの機内食を評価する「Best Economy Class Airline Catering」でも第2位を獲得しています。
ドリンクは、シンガポールの名を冠した赤いカクテル「シンガポールスリング」もいただけますよ。
足元がより広い座席を希望するあなたには、出口付近のプリファードシート(有料座席)、到着後機内から早く降りることをご希望のあなたは、ドア近くの前方エリアの座席を選択できるなどお好みで座席のチョイスが可能です。

(C)Singapore Airlines.
シンガポール航空国際線エコノミークラスの座席について
(最新機エアバスA380の新客室仕様の場合)
【座席配列】3-4-3の横10席配列
【シートピッチ】約81.28cm(32インチ)
【シート幅】47㎝(18.5インチ)
【個人モニター】11.1インチ タッチパネル
【PC電源】あり
【USBポート】あり
【フットレスト】3段階に調節可能
【ヘッドレスト】6段階に調節可能
【WiFi接続】可能(有料)
【アメニティセット】靴下、歯ブラシ、歯磨き粉
第3位 カタール航空

(C)Qatar Airways
第3位は、中東カタール国営の「カタール航空」。元々はカタールの王族によって設立され、のちに国営となりました。
日本の秋田県より狭い国土のカタールでは国内便はありませんが、ドーハを中心にヨーロッパ・北米・南米・中東・アフリカ・アジアなど世界150都市以上の国際便を就航。充実したサービスと手頃な運賃で、人気を集めています。
ビジネスクラスに力を入れているエアラインですが、今回はエコノミークラスでもベスト3入り。エコノミークラスでも、リップクリーム、歯磨きセット、アイマスク、靴下、耳栓のアメニティキットが提供されます。
機内で必要なものを全員に配ってくれる心遣いが嬉しいですね。また無料WiFiが使えるのは、カタール航空だけ。機体によって無料の時間制限は異なるようです。
預け入れ荷物は、日本離発着が総重量30キログラムと他社に比べて重く、ビジネスクラス並み。評判に違わず、サービスが充実しています。
機内食はハラルフード(イスラム教に従った食事)が提供されますが、エコノミークラスの機内食を評価する「Best Economy Class Airline Catering」でも第5位を獲得。
機内のトイレは、いつも清潔と乗客から評価されています。
ヨーロッパは安い運賃で行けますが、ドーハで乗り継ぎ経由するのでトランジット時間が発生し、搭乗時間が長くなることは理解しておいた方が良いでしょう。

(C) One World
カタール航空国際線エコノミークラスの座席について
(最新機エアバスA350-1000の場合)
【座席配列】3-3-3席配列の横9席配列
【シートピッチ】約80cm(31-32インチ)
【シート幅】43㎝(16.9-17.4インチ)
【個人モニター】10インチ タッチパネル
【PC電源】あり
【USBポート】あり
【WiFi接続】可能(無料 時間制限あり)
【アメニティセット】リップクリーム、歯磨きセット、アイマスク、靴下、耳栓
*一部の長距離路線で用意
第4位 タイ国際航空

(C)PR TIMES
第4位は、タイ王国国営の「タイ国際航空」でした。美しいタイシルクを身にまとったCAさんが手を合わせて出迎えてくれるのは、「微笑みの国」と言われるタイランドの美しい文化。また女性客には、タイの花オーキッド(濃いピンクの蘭)の生花コサージュをプレゼントしてくれます。素敵ですね。空港スタッフと客室乗務員のサービスを評価する部門でも「The Best Airline Staff in Asia」を受賞しています。
機内食は、機内モニターで事前に確認することが可能。メニューでは、スパイシーだけど辛すぎないタイカレーが好評。エコノミークラスの機内食を評価する「Best Economy Class Airline Catering」でも第4位を獲得しています。タイのシンハー・ビールもオーダーでき、タイ到着前からタイの雰囲気を楽しむことができますね。
機内は、タイ国際航空のシンボルカラーであるピンクと紫で統一され華やか。
預け入れ荷物は米国・カナダ線を除き、総重量30kgと他社に比べて重く、ビジネスクラス並み。席を取っていない2歳未満の子供を連れている場合でも、10kgまでOK。折りたたみ式のベビーカーは預け入れ荷物の許容量に含めず、無料(子供一人につき一台)で預かってくれるので、小さな子供連れにはうれしいサービスです。日本線運航便には原則として日本人のフライトアテンダントが2名乗務しているので、英語に自信がなくても安心して搭乗できます。

(C)PR TIMES
タイ国際航空国際線エコノミークラスの座席について
(最新機エアバスA350 XWBの場合)
【座席配列】3-3-3席配列の横9席配列
【シートピッチ】約81cm(32インチ)
【シート幅】46㎝(18インチ)
【個人モニター】11インチ タッチパネル
【リクライニングシート】120°のリクライニングシート
【PC電源】あり
【USBポート】あり
【WiFi接続】可能(有料)
第5位 ANA

(C)ANA
第5位に選ばれたのは、日本の航空会社「ANA」でした。
2019年6月〜9月出発の国際線機内食では、日本の地域食材を使用したご当地カレーを提供。一例として、「福井県産ソースカツカレー」「長野産リンゴ風味スパイシーチキンカレー」などがあります。おいしそうですね。フライト時間の長い長距離路線の国際線エコノミークラスの機内食では足りないという要望に応えて、内容もボリュームアップしています。
さらに、羽田・成田発のフライトでは、天然酵母のもっちりしたANA自社製パンを提供。エコノミークラスの機内食を評価する「Best Economy Class Airline Catering」では第6位を獲得しています。
2019年8月19日以降の搭乗分から国際線エコノミークラスは、追加料金で座席指定が可能に。追加料金は非常口前が1区間につき4,500~5,500円。機内前方の窓側と通路側が1,500~2,500円。アジア内の短距離路線では安く、欧米線の長距離路線では高くなります。
2019年5月24日から成田―ホノルル路線に、日本の航空会社としては初めてエアバスの超大型機「A380」を定期就航。世界最大級の大きさの機体には、ハワイ語で「ホヌ」と呼ばれる幸せの象徴「海ガメ」のイラストが描かれています。バケーションの気分が盛り上がりますね。

(C)ANA
ANA航空国際線エコノミークラスの座席について
(最新機ボーイング787-10型の場合)
【座席配列】3-3-3席配列の横9席配列
【シートピッチ】約86cm(34インチ)
【シート幅】46㎝(18インチ)
【個人モニター】13.3インチ タッチパネル
【ヘッドレスト】 6方向に調整可能
【PC電源】あり
【USBポート】あり
【WiFi接続】可能(有料)
【トイレ】ウォシュレット(温水洗浄便座)
トップ5は、いずれもサービスの質の高さや機内設備で乗客の評価を得ているようです。機体も単に新型を使用するだけではなく、特別塗装機などによって各社のオリジナル性を打ち出しています。
エコノミークラスであっても、シート幅やシートピッチは広くなってきており、ゆったりできるようになってきました。PC電源やUSBポートの設備で、機上でも快適に過ごせますね。この飛行機に乗ってみたいなと心が動いたら、さっそく次の旅の計画を立ててみませんか。
※本記事に掲載している座席などに関する情報は、2019年7月時点のものです。最新の情報については、各航空会社に直接お問い合わせください。