梅の名所「北野天満宮」
京都で梅の名所と言えば、まず名前が挙がるのが「北野天満宮」ではないでしょうか。「北野天満宮」は全国12,000の天満宮、天神社の総本社であり、京の都を守護する大城鎮護の社でもあります。「北野の天神さん」とも呼ばれ親しまれ、受験の神様として知られる菅原道真公をお祀りしています。
梅と牛をこよなく愛した菅原道真公
道真公は、梅と牛をこよなく愛した人でした。境内には約1,500本の梅と、牛の像がいくつもあります。
改革を志した政治家で、日本の財政破綻を救うため、数々の政治改革を行ってきました。しかし、道真公のことを快く思わない勢力(朝廷や貴族階級)が立ちはだかり、あらぬ罪を着せられ九州の太宰府へ左遷されてしまいます。都を去る時に詠んだ句がこちらです。
『東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 主なしとて 春を忘るな』
太宰府に向かうにあたり、妻子とは別離となり、それ以降、道真公が都へ戻ることは二度とありませんでした。道真公は、左遷された大宰府で亡くなっています。その後、京都に住む多治比文子という巫女にお告げがあり、建てられたのが「北野天満宮」の始まりとされています。
「北野天満宮」の梅の見ごろ
さて、「北野天満宮」の梅ですが、1月後半から3月半ばにかけて、境内や梅苑に植えられた約50種類の梅が次々と蕾を膨らませ、花を咲かせます。梅のおすすめスポットは境内にも多くありますし、有料になりますが、梅苑に咲く梅も見事です。2018年は、2月9日(金)から公開されており、3月18日(日)までの週末(金・土・日曜日)は、梅苑で初めての夜間ライトアップが行われることでも話題になっています。ライトアップの時間は日没後からで、最終入苑は20:30です。
【スポット情報】
北野天満宮
住所:京都府京都市上京区馬喰町
電話番号:075-461-0005
梅苑公開時間:10:00~16:00
入苑料:大人(中学生以上)700円、子供350円(いずれも茶菓子付)
京都の街を囲んだ「御土居(おどい)」
ここで少し、「北野天満宮」にある「御土居(おどい)」の話をしましょう。北野天満宮には京都の洛中洛外を仕切る大きな壁、「御土居」が残っています。豊臣秀吉公が作った「御土居」は、大きな丘であり、壁でした。
「御土居」とは、秀吉公が天下統一を成し遂げた後、1591年に数々の戦で荒廃した京都の街を再整備するために、多大な経費と労力を費やして築いた土塁です。京都市街の再整備事業として行われたこの「御土居」は、外敵の来襲に備える防塁と鴨川の氾濫から街並みを守る堤防のふたつの役割があったといわれています。「御土居」は台形の土塁と堀からなり、その総延長は22.5キロメートルにもおよびます。南北約8.5キロメートル、東西約3.5キロメートルにわたり、京都の街をぐるりと囲みます。
「御土居」には、いくつかの出入り口がありました。現在でもその名残として、鞍馬口、丹波口、粟田口、荒神口などの地名が残っています。北野天満宮に残る「御土居」は、作られた当時の原型に近い形で残っています。「御土居」を歩きながら、梅を眺めるのもおすすめです。
京都観光におすすめのホテル
「京都ホテルオークラ」は、京都の中心に位置するホテルです。車で訪れた宿泊客は、駐車料金が無料になります。また、このホテルは京都市営地下鉄東西線「京都市役所前駅」と直結しており、アクセスも便利です。京都駅からは、地下鉄で約15分です。花街「先斗町(ぽんとちょう)」や「祇園」までは、徒歩約10〜15分です。「平安神宮」や「京都市動物園」までは地下鉄で約3分、駅からは徒歩約10分の距離です。
「京都ホテルオークラ」から北野天満宮までは、電車やバスなどの公共交通機関を使うと便利です。ホテルのある河原町から阪急電鉄を利用し、西院駅で下車します。西院駅から京都市バス203号に乗車し、北野天満宮前で下車します。所要時間は約45分です。「京都ホテルオークラ」から北野天満宮までタクシーで移動すると約30分です(天候、交通事情による)。
「京都ホテルオークラ」が建つこの地は、かつて長州藩の藩邸でした。ホテルの河原町側には桂小五郎の銅像が建っています。
【ホテル情報】
京都ホテルオークラ
住所:京都府京都市中京区河原町御池
電話番号:075-211-5111
境内や梅苑に50種類の梅の花が咲く「北野天満宮」。古都、京都でひと足はやい春の訪れを迎えてみませんか。
筆者ご紹介
| ||
---|---|---|
地球の歩き方 京都Web特派員 Akio
仕事は着物や和のデザイン。着物、帯、振袖のデザインが中心で、古典模様から琳派模様など、日本の今の模様を作っています。趣味は競泳で、試合にも時々出ます。近所には桂離宮や嵐山があり、時間があればカメラと共に寺院や景色を巡っています。京都は平安京の頃から、今の時代まで様々な歴史が残っている町。春夏秋冬・・・歴史と季節を訪ねながら旬な情報を地球の歩き方京都Web特派員ブログよりお届けしています。
あわせて読みたい
国内最大級の煌めくイルミネーション!三重・なばなの里で光の国を楽しもう
一般社団法人 夜景観光コンベンション・ビューローが主催する「第五回イルミネーションアワード」のプロフェッショナルパフォーマンス部門で第1位に輝いた三重県のなばなの里。最新LEDを使用した国内最大級のイルミネーションです。
約15,000個のランタンが彩る長崎の冬の風物詩「長崎ランタンフェスティバル」
長崎の冬の風物詩として全国にその名が知られるようになった「長崎ランタンフェスティバル」。長崎新地中華街の人々が粛々と祝っていた「春節祭」を起源とするそうです。今回は「長崎ランタンフェスティバル」の楽しみ方を紹介します。