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世界遺産「熊野古道」〜悠久の歴史と文化を辿る中辺路ルートの見どころ、食べどころ

和歌山県の南部に位置する田辺市には、熊野三山へと通じる参詣道の総称「熊野古道」(熊野参詣道)や、熊野本宮大社が鎮座し、連日、海外からも多くの観光客が訪れています。今回は、いくつかある熊野古道のルートの中でも昔の面影が残る、人気の中辺路(なかへち)の歩き方を、地球の歩き方 和歌山Web特派員の麻巳子さんに紹介いただきます。

 

    • 目次

 

熊野古道人気の中辺路(なかへち)からの景色

その昔、信仰の道だった熊野古道

神話の時代から自然信仰があり、神々が集まる地とされてきた熊野地方。仏教が渡来し、浄土信仰が広まると、熊野は浄土の地とみなされるようになり、熊野三山を参詣する熊野詣が盛んになりました。

熊野古道は、熊野三山の熊野本宮大社、熊野速玉(はやたま)大社、熊野那智(なち)大社を結ぶ参詣道の総称です。熊野古道を歩くことは苦難の旅でしたが、川で冷水を浴びて神仏に祈願する「水垢離」(みずごり)をすることで、罪や穢れが浄化され、本宮は来世の救済を行ってくれるということから蘇りの地として、新たな気持ちになれる出発地でした。

熊野三山の熊野本宮大社の山門

奈良時代から平安時代にかけて熊野信仰が広まり、室町時代には武士や庶民、男女身分問わず大勢の人が、絶え間なく参拝に訪れるようになり、その様子を蟻の行列に喩えて、「蟻の熊野詣」といわれたそうです。そのころから中辺路は、熊野古道の中でもメインルートとされていたそうです。現在は、信仰というよりハイキングコースとして人気ですが石畳や王子社など、当時の雰囲気が残っているので、昔の旅人気分が味わえます。

奈良時代からメインルートだった中辺路

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ぜひ訪れてほしい熊野古道スポット

・熊野本宮大社
その昔、熊野は仏教・密教・修験道の聖地とされ、多くの旅人が熊野古道を通って参拝に訪れたと伝えられています。その難行苦行の道のりを終え、最初にたどり着くのが熊野本宮大社だったそうです。大社内のいたるところで見られるカラスのマークは、日本神話にある神武天皇東征のとき、熊野から大和に入る険路を案内したとされる八咫烏(やたがらす)です。日本サッカー協会のシンボルとしても使われています。

熊野本宮大社へお参りした後は、旧社地である「大斎原(おおゆのはら)」がおすすめです。熊野本宮大社から徒歩5分ほどの場所にあり、明治22年(1889年)の大水害で被害に遭うまでは、熊野本宮大社の社殿があった場所です。桜の名所としても知られていますが、遷座する前は広大な敷地の境内に五棟十二社の社殿、楼門、神楽殿や能舞台など、現在の数倍の規模だったこともあり、パワースポットとしても観光客が訪れる地になりました。

熊野本宮大社の旧社地である「大斎原(おおゆのはら)」

・牛馬童子像
中辺路のシンボル的な存在の牛馬童子(ぎゅうばどうじ)像は近露(ちかつゆ)エリアにあります。牛馬童子像とは、平安時代の花山法皇の旅姿を偲んで彫られた石仏で、観光ポスターにもなった像です。馬と牛に乗った姿がとてもかわいらしく、訪れた旅人を癒してくれます。

そんな熊野古道にはなんとマスコットもいるんです。意外と小さいので見逃さないようにご注意ください。「牛馬童子口」バス停より徒歩約20分です。

中辺路のシンボル的な存在の牛馬童子(ぎゅうばどうじ)像

・とがの木茶屋と継桜(つぎざくら)王子社
野中エリアの熊野古道沿いの峠にあるかやぶき屋根の「とがの木茶屋」は、現在、茶屋として営業されていませんが、古道歩きに疲れたら自由に休憩ができる場所として開放されています。母屋の軒先に腰掛けて、見晴らしの良い、のどかな風景を眺めていると心が落ち着きます。またすぐそばには、継桜王子社(つぎざくらおうじしゃ)があります。王子社とは、熊野の神さまの御子神を祀られた神社で、参詣者の休憩や宿泊場所でした。境内にそびえ立つ杉の巨木群は、エリアの名をとって野中の一方杉と呼ばれています。どの木も南東方向な那智山(なちさん)の方角にのみ、枝を伸ばしている不思議な杉です。「野中一方杉(バイパス)」バス停より徒歩約20分で到着できます。

かやぶき屋根の「とがの木茶屋」

古道歩きの服装と持ち物は?

服装は、動きやすく、歩きやすい季節に合わせたハイキングの服装で、靴は履きなれたトレッキングシューズや運動靴がおすすめ。持ち物は、距離や歩く時間によって若干異なりますが、リュックサック、雨具、帽子、飲み物、常備薬などは、最低限山歩きに必要なものは用意しておきましょう。

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期間限定の大露天風呂がオープン

熊野本宮大社より車で10分ほどの距離にある川湯温泉は、12月から2月末日までの期間限定温泉。その理由は、水量が少ない時期に大塔川(おおとうがわ)の一部をせき止め、川底を掘り、清流を引き入れて、湧き出した73℃の源泉を40℃前後に調整するための整備が必要になるからです。こうして自然の恵みを整備して造られた大露天風呂を「仙人風呂」と呼びます。温泉は混浴なので、水着着用で入浴することもできます。脱衣場は道路を挟んだ向かい側に男女別であります。開放感ある温泉なのですが、天気や川の水温の状態によって、入浴ができない場合もありますので、ご注意ください。

大塔川の一部を堰き止めた大露天風呂「川湯温泉」

【スポット情報】
川湯温泉(大塔川)
住所:和歌山県田辺市本宮町川湯
電話番号:0735-42-0735
入浴時間:06:30~22:00
入浴料:無料
飲用効果:胃腸病、糖尿病、痛風
浴用効果:神経痛、糖尿病
熊野本宮観光協会公式サイトより

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南紀白浜空港から熊野本宮までの行き方と熊野のおすすめ宿

関東や他地域から飛行機で来られる場合は、南紀白浜空港が近くて便利です。空港より新宮行の快速バス「熊野古道号」で、熊野本宮まで約2時間20分で到着します。または、空港よりバスで、JR田辺駅前まで行き、新宮行きのバスに乗り換え中辺路、熊野本宮で下車します。レンタカーを利用した場合は、熊野本宮まで国道311号線経由で約61㎞、1時間20分ぐらいかかります。バスをご利用になる場合は、本数が少ないので時刻表の確認は忘れずにしましょう。

南紀白浜空港のタクシー乗り場

熊野古道観光におすすめの宿は、湯の峰温泉の中心地に建つ風格のある老舗旅館「湯の峰温泉 旅館あづまや」です。世界遺産に登録された「つぼ湯」もあり、連日、熊野本宮大社に参拝される観光客で賑わっています。また、高浜虚子に師事した歌人の阿波野青畝(あわの せいほ)があづまやに詠んだ句碑も飾られ、『王道』、『人間の条件』などの著作で知られるフランスの文豪アンドレ・マルローが1974年に来館した際に「これぞ日本の宿」と、絶賛したエピソードなど、文人墨客のゆかりのある、悠久の歴史を感じる宿でもあります。

世界遺産に登録された「つぼ湯」のある湯の峰温泉の旅館 あづまや

【ホテル情報】
旅館 あづまや
住所:和歌山県田辺市本宮町湯峯122
電話番号:0735-42-0012
チェックイン 14:00 / チェックアウト 10:00

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行ってみたいレストランとおすすめの熊野本宮土産は……

近露エリアの熊野古道沿いに、観光案内や歴史紹介の施設「ちかの平安の郷 かめや」があります。建物は、画家の野長瀬晩花(のながせばんか)の生家を改装した古民家にある洋食レストランの「小鳥の樹」が営業されています。地元の野菜をふんだんに使い、卵や乳製品を使わないヘルシー料理を用意しているので、アレルギーの方やお子様連れのお客様に人気があります。心にも体にもやさしいお料理がいただけます。のんびりとした近露の風景を眺めながら食事がいただける、くつろげるレストランです。

地元の野菜をふんだんに使う洋食レストラン「小鳥の樹」

【レストラン情報】
小鳥の樹
住所:和歌山県田辺市中辺路町近露1129
電話番号:0739-65-0615
営業時間:10:00~16:00(ラストオーダー 15:30)
定休日:火・水曜日

次に熊野本宮大社へ参詣したあとに、ぜひお土産として買っていただきたいのが「もうで餅」です。境内にある和菓子の伝統を守る「珍重庵(ちんちょうあん)」が、お土産用に「もうで餅」を販売しています。餡をお餅で包み玄米粉をかけた一口サイズのお餅で、素朴で柔らかく美味なのが、病みつきになります。珍重庵は茶房にもなっているので、店内で「もうで餅」をいただくこともできます。

和菓子の伝統を守る「珍重庵(ちんちょうあん)」の「もうで餅」

【ショップ情報】
茶房 珍重庵 本宮店
住所:和歌山県田辺市本宮町本宮1110
電話番号:0735-42-1648
営業時間:09:00~17:00
定休日:水曜日

今回紹介した熊野古道は、ほんのごく一部で、まだまだ見どころがたくさんあります。そして全ルートを完歩するには長期滞在が必須。できれば何度も熊野・和歌山へお越しいただき、パワースポット巡りをしてみてはいかがでしょうか。

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筆者ご紹介

地球の歩き方和歌山Web特派員 麻巳子

和歌山出身。地元の情報を地球の歩き方和歌山Web特派員ブログからお届けしています。和歌山の良さを訪れる方のために分かりやすく紹介したいとガイドブックのようなブログを目指しています。

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