吉野山の桜の見どころ、見頃は?
約200種・約3万本の桜で山々が彩られる「吉野山」ですが、下千本(しもせんぼん)、中千本(なかせんぼん)、上千本(かみせんぼん)、奥千本(おくせんぼん)と呼ばれるエリアに大別されます。吉野山の玄関口、近鉄の吉野駅周辺の標高の低い部分が下千本で、一番標高の高い部分が奥千本となっています。例年4月上旬頃に下千本から桜の開花が始まり、下、中、上、奥へと桜の彩りが上がっていきます。
下千本の標高は約230メートルから350メートルで、下千本と奥千本の標高差は500メートル以上もありますので、エリアごとに気温が異なること、さらに桜の品種によって開花時期が異なることなどもあることから、約1ヶ月間と長期に渡ってお花見を楽しむことができるのが吉野山の桜の大きな特徴です。中でも、中千本の桜が見頃を迎える時期がベストなお花見タイミングといわれているそうで、4月10日前後が訪問時期の目安となりそうです。ただし、吉野に限りませんが、桜の開花や満開までのスピードは、天候に大きく左右されますので、最新の開花状況を調べた上で訪問したいところです。
【スポット情報】吉野山住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山桜の見頃:例年4月上旬頃から約1ヵ月間※天候によって大きく前後する場合があります。
下千本の名所と世界遺産・金峯山寺
標高約230メートルから350メートルの下千本エリアは、近鉄吉野駅が起点となります。吉野山のシンボル、世界遺産の金峯山寺(きんぷせんじ)蔵王堂、桜の絶景が広がる「七曲り坂」や下千本展望所などの桜の見どころスポットがあります。
下千本といえば、世界遺産・金峯山寺への参拝は外せません。開祖とされ、超人的な能力を持っていたという役小角(えんのおづぬ)が、7世紀後半に厳しい修行で知られる「千日修行」で「金剛蔵王権現」という仏様を出現させ、その姿を山桜に刻んで吉野山に祀ったことが金峯山寺のはじまりだそうです。2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」のひとつとして、金峯山寺本堂蔵王堂と仁王門が世界文化遺産に登録されました。 境内の「脳天大神龍王院」は、頭脳の守護神ということで、「合格祈願」などに多くの参拝客が訪れます。また、国宝の本堂(蔵王堂)は、安土桃山時代に完成したという木造の建築物で、東大寺大仏殿に次ぐ規模を誇ります。荘厳な木造建築と桜のコラボレーションは、見事です。
中千本の名所と吉野名物「葛きり」
さらに、中千本エリアでは、桜をモチーフにした土産物を扱う店舗、吉野の名物である「葛きり」が楽しめる茶処などもあります。吉野といえば、「葛」が名物ですから食べていかないわけにはいきません。葛は、花が美しいだけではなく、茎は強い繊維を利用した葛布に、根に含まれる澱粉が「葛粉」になるというマメ科のツル性植物です。葛粉は希少性が高く、市販の「葛餅」は小麦粉から出来ていたりするのですが、「吉野本葛」で作られた本場の葛きりを現地でご賞味ください。
吉野山のベストビューポイント・上千本
早朝の靄がかかった桜、昼前後の美しい桜色と緑のパッチワークを広げたような風景、夕方頃の黄昏とライトアップされた夜桜・・・。どの桜にしましょうか!?
神秘的な雰囲気が広がる奥千本
標高約600メートルから750メートルの奥千本エリアは、最も桜の開花の遅い場所となります。世界遺産・金峰神社のすぐ脇にあり、源義経が身を隠していたとされる「義経の隠れ塔」、平安時代から鎌倉時代に活躍した歌人・西行法師が住んでいた「西行庵」、世界遺産・水分神社などがあります。神秘的な雰囲気のなか、心が落ち着くスポットが点在しています。山奥でひっそり咲く桜を愛でる、「通好み」のエリアではないでしょうか。
吉野の名物といえば?
吉野へのアクセス方法
近鉄吉野駅が吉野山への玄関口となります。近鉄吉野駅には、大阪・阿部野橋駅から近鉄特急で約1時間15分です。最寄りの空港となる関西空港からのおもなアクセス方法は、以下の2パターンとなります。
≪1≫関西空港→大阪・阿部野橋→吉野 約2時間10分関西空港からJRの特急「はるか」号に乗車(約30分、2,030円)し、天王寺駅で下車します。JRの天王寺駅と近鉄南大阪線(近鉄吉野線へ直通運転)の阿部野橋駅は近接していますので、徒歩での乗換えとなります。大阪・阿部野橋駅からは吉野駅へ直通する近鉄特急に乗車(約1時間15分、1480円)します。トータルで約2時間10分(3,510円)となります。関西空港と天王寺駅を結ぶ特急「はるか」号は、1時間に1~2本、大阪・阿部野橋から吉野駅方面の特急も1時間に1~2本の運行があります。
なお、運賃のほかに特急料金が必要な特急列車を使わず、運賃だけで利用できるJRの「関空快速」、近鉄の急行列車を利用する場合は、所要時間約2時間30分、2,030円となります。
昔から人々に親しまれ、豊臣秀吉も愛した関西の桜の名所、古都・奈良の吉野山へ出かけてみませんか。
※料金や交通機関情報は全て2018年2月現在のものです。
■吉野山観光協会ホームページ(吉野山の概要、エリアマップ、開花情報などを掲載)住所:〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山2430電話番号:0746-32-1007
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