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写真提供:(公社)びわこ高島観光協会
カタカナ名の町「マキノ」の由来
日本で初めてカタカナの自治体名になった町、「マキノ町」(現在は平成の大合併で「高島市マキノ町」となっています)。カタカナの自治体名は滋賀でも唯一ここだけですが、なぜそうなったのでしょうか?
大正末期から昭和の初期に西庄村牧野という地に「マキノスキー場」が誕生しました。当時は国内でもまだスキー場は少なく、折しものスキーブームもあり、来場者が1日に1万人を超える日が何日もあるほどの地域の一大産業となりました。当時、大津から太鼓汽船(現琵琶湖汽船)のスキー船が存在していたくらいです。その後の昭和の大合併の際に4つの村(海津村、剣熊村、西庄村、百瀬村)が合併し、スキー場にあやかってマキノ町になったということです。
歴史的景観も豊富なマキノ
海津村にあった港が古くからの湖北湖上運送の中心地であったこともあり、マキノは海津という地域を中心に栄えました。若狭から運ばれた海産物などの物資はここ海津から大津へ舟で運ばれ、京都の町などで消費されていました。そのような歴史もあって、海津には古い街道(旧北国海道)の街並みや港(旧海津港)の景観も残されており、春の海津大崎の桜など琵琶湖周辺の景観の中でも随一の美しさを誇る場所となっています。
フォトジェニックなメタセコイア並木の絶景
マキノで一番人気のスポットは、何と言っても「メタセコイア並木」です。観光果樹園「マキノピックランド」からマキノ高原へ続く2.5キロメートルほどの直線道路の両側に植えられた約500本ものメタセコイア。一年を通して沢山の観光客が訪れる、滋賀を代表するフォトジェニックスポットです。
写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー
このメタセコイア並木は、もともと昭和56年に学童農園「マキノ土に学ぶ里」整備事業の一環としてマキノ町果樹生産組合が防風林として植えたのがはじまりです。それが今では樹高35メートルにも及ぶようになり、見事な景観を作り出しており、読売新聞社の「新・日本の街路樹100景」にも選定されました。
冬のマキノは絶景とアクティビティーがいっぱい!
青々と茂る並木や、燃えるような紅葉の時期も良いですが、スキー場から始まったマキノの魅力は冬こそ引き立ちます!日本海から吹き付けた冷たい冬の風が山にぶつかり雪を降らす、大変雪の多い地域のため、マキノならではの絶景の雪景色を楽しむことが出来ます。
写真提供:(公社)びわこ高島観光協会
例年1月から2月頃、このあたりは雪に包まれ、神秘的な白の世界へ変わります。高さ30メートルを超えるメタセコイアがその先端まで真っ白に染まり、透みきった冬の空に映える様は圧巻です。メタセコイア並木の周囲には建物等がほとんどなく、まさに一面の銀世界が広がります。
写真提供:(公社)びわこ高島観光協会
そしてメタセコイア並木を通り抜けた先にあるのが「マキノ高原」です。夏はキャンプやゴルフなどが楽しめる高原ですが、冬は雪の一大アクティビティースポットになります。以前はスキー場でしたが、現在はリフトが撤去され、小さな子供でも楽しめる雪遊び、ソリ遊びが中心の、広さ30万平方メートルを誇るファミリーゲレンデに生まれ変わりました。
写真提供:マキノ高原管理事務所
また、より自然を満喫したい方は、「スノーシュー」と呼ばれる西洋かんじきを履いて雪山散策をする「スノーシュートレッキング」も楽しめます。大人から子供まで雪の上を簡単に歩くことができるので、ぜひ、家族で安全に楽しく白銀の世界を満喫してはいかがでしょうか?
ゲレンデの麓には、冷えた身体を温めてくれる温泉「マキノ高原温泉さらさ」があります。雪景色に浸った後は、暖かい温泉に浸りきってくださいね。
写真提供:マキノ高原管理事務所
【スポット情報】
マキノ高原 スキー場
住所:滋賀県高島市マキノ町牧野931
電話:0740-27-0936
営業時間:7:00~17:00(例年12月下旬~3月上旬 “自然雪”のみの営業)
定休日:シーズン中は無休
マキノ高原温泉さらさ
住所:滋賀県高島市マキノ町牧野931-3
電話:0740-27-8126
営業時間:平日 10:00~21:00(最終受付 20:30)
土日祝祭日10:00~22:00(最終受付21:30)
定休日:毎月第2・4水曜日 (但し祝祭日の場合はその翌日)
※保守点検などにより、臨時休業することがあります。
山と琵琶湖が作り出す自然の恵み
高島市周辺の湖西の山々に降り積もった雪は春になると解け、その雪解け水は田畑を潤し琵琶湖の魚達にとっても命の源となっていきます。なんとその量は琵琶湖に注ぐ水の1/3にもなるといわれ、まさに琵琶湖の源流となる地域です。
写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー
これらの営みは自然の恵みとして私たちの胃袋も潤します。水が美味しいところはお酒も美味しい!実は高島市は湖西の中でも酒処として知られ、6つの蔵元がお酒を醸しています。そのうちのひとつ、マキノ町海津の北国街道沿いにある「吉田酒造」も大変美味しい日本酒を醸す酒蔵です。目の前の琵琶湖に浮かぶ竹生島、その名を冠した日本酒「竹生島」はそんな自然の恵みをしっかり感じることができるスッキリしたお酒です。
海津周辺の琵琶湖は水が大変透き通っています。オートキャンプなども楽しめるマキノサニービーチは環境省の「快水浴場百選」にも唯一湖から選ばれたほどです。
琵琶湖でもっとも深く、水の綺麗な場所で育った「鮒(ふな)」。とくれば、お気づきかと思いますが、滋賀のもっとも有名かつインパクトのある名産「鮒寿司」の出番です。マキノは、きれいな水で育った鮒はもちろん、百瀬川と知内川の扇状地によって育まれた米、若狭から運ばれた塩という鮒寿司造りにとって最良のものがそろう場所です。さらに、マキノの厳しい冬の季節風に2年間晒されることで、最高の鮒寿司になっていきます。
滋賀でも指折りの鮒寿司の名店「魚治」では、数量限定ではありますが店内で「鮒寿し茶漬け」を食べることができます(税込1,296円)。この「鮒寿し茶漬け」は、ご飯に鮒寿司のスライスと少量の「飯(いい:鮒寿司を包む発酵したご飯の部分)」を乗せ、「魚治」特製の出汁をかけたもの。しっかりとした出汁に鮒寿司の酸味がほどよく重なり、柔らかくかつ爽やかなお味です。お腹にすうーっと入っていく感じで病みつきになります。特有の酸味がマイルドになることで、鮒寿司が初めての方でもきっとこのおいしさの虜になるのではないでしょうか。
「魚治」は本店のほか、マキノ駅前にも支店があり観光客にも便利です。店舗内には持ち帰りの鮒寿司がたくさん並べられているほか、手軽な湖魚の佃煮なども売られており、琵琶湖が感じられるお土産としておすすめです。
鮒寿司にすっかりハマった!という方は、本店向かいにある「魚治」の料亭「湖里庵」で鮒寿し懐石はいかがでしょうか?作家の遠藤周作は「魚治」の鮒寿司ファンで、よく訪れたそうです。海津の絶景を眺めながら琵琶湖の恵みを味わうことで、五感のすべてで琵琶湖を感じてみてください。
【スポット情報】
魚治 本店
住所:滋賀県高島市マキノ町海津2304
定休日:火曜日
電話:0740-28-1011
魚治 マキノ駅前店
住所:滋賀県高島市マキノ町高木浜1-5-4
定休日:水曜日
電話:0740-28-1021
湖里庵
住所:滋賀県高島市マキノ町海津 2307
営業時間:11:30~15:00(最終入店13:00)/17:00~21:00(最終入店18:00)
定休日:火曜日
電話番号:0740-28-1010
古民家カフェでゆっくり絶景を満喫
海津の街並みの端まで行くと、その先が有名な「海津大崎の桜並木」です。その桜並木を一望できる位置に、古民家をリノベーションして造られたお洒落な古民具・古道具店兼カフェ「海津」があります。春の海津は花見客であふれますが、冬の時期は落ち着いてリラックスしたひと時が過ごせます。墨絵のように風光明媚な海津の景観を眺めながら、穏やかな雰囲気のカフェでまったりと過ごすのはいかがでしょうか?ちょっと寒いかもしれませんが、テラスから見る景色は吸い込まれるようで、心をリラックスさせてくれます。
【スポット情報】
古民具・古道具&カフェ「海津」
住所:滋賀県高島市マキノ町海津2080-7
営業時間:10:00~18:00
定休日:不定休(来店の際は要電話)
電話:0740-28-8055
マキノに泊るならサニービーチ周辺がおすすめ
マキノ周辺にはいくつかの宿泊施設があり、おすすめはマキノ駅からほど近いサニービーチ近くの「ヴィラ山水」です。駅から300メートルほど琵琶湖に向かって真っ直ぐ並木道が伸びていて、徒歩で琵琶湖に向かって並木道を進めば「マキノ湖のテラス」の大きなモニュメントが見えてきます。その前にあるのが、「ヴィラ山水」です。
駅からすぐ近くというアクセスの良さと、目の前に広がるマキノサニービーチのきれいな渚。また海津の街並みにも散歩気分で行けます。雪深い地域なので、アクセスの良さや観光スポットに歩いて行ける便利さは、不意の天気の変化にも十分対応可能というのがうれしいポイントです。
「ヴィラ山水」は決して大きなホテルではありませんが、清潔感が大事にされており、室内も手入れが行き届いて非常に居心地の良い宿です。心のこもったサービスや気遣いが外の寒さを和らげてくれます。私が泊まったのは雨の中を家族で自転車で琵琶湖を一周していた時で、予約していた時間に到着できなかったのですが、スタッフの方々が待っていてくださり、いろいろ気遣っていただきました。
その後、いただいた近江牛ステーキなど、滋賀の名産を使った料理がまた身体に染みわたる美味しさでした。料金が大変リーズナブルなところもおすすめのポイントです。朝は海津大崎から登る朝日が大変美しいですよ。そんな絶景も楽しめるのは、この宿ならではでしょう。
【ホテル情報】
ヴィラ山水
住所:滋賀県高島市マキノ町西浜761-1
電話:0740-20-5051
マキノへのアクセスと各地域への交通手段
空路でマキノへ訪れる際、もっともアクセスが簡単なのは関西国際空港経由です。空港からはJRで「特急はるか」に乗って、一路京都駅へ。ここまで関西空港駅から1時間20分ほどです。京都駅で湖西線に乗り換え、「新快速」に乗って1時間弱でマキノ駅に到着します。マキノ高原へは、改札を出て右手にあるバス乗り場からコミュニティーバスで向かうことができます。
メタセコイア並木を見るなら、バスで「マキノピックランド」まで行きましょう。また、その先まで乗ればマキノ高原へ行くことができます。ゲレンデには停留所「さらさ」がもっとも近いです。雪が少なければレンタサイクルも便利です。絶景だらけのマキノを自由に巡ることができ、こちらもおすすめです。
2時間300円で借りられます。マキノサニービーチや海津方面は交通機関がないので、自転車が便利です。ちなみに、マキノ高原へも川沿いのサイクリングロードで5キロメートルほど。天気が良ければメタセコイア並木の間を自転車で走ると気持ちいでしょう。ただし、雪で貸し出しが中止になることもありますので注意してくださいね。
レンタサイクルの貸し出しは、マキノ駅内にある観光案内所で行っています。また、各種情報もこちらで入手できます。丁寧に教えていただけるので、ぜひ寄ってみてください。
【スポット情報】
マキノ駅観光案内所(マキノツーリズムオフィス)
住所:滋賀県高島市マキノ町西浜1209-8マキノ駅観光案内所内
電話:0740-28-8002
営業時間:9:00~17:00
琵琶湖の源流とも言える高島市マキノ町。その命の源となる大自然に包まれてみてはいかがでしょうか?京都から電車で1時間程度で、雄大なメタセコイア並木とともに海のように広がる琵琶湖が、冬ならではの絶景とともにあなたを出迎えてくれますよ。もちろん冬以外にも春の海津の桜、夏のビーチや高原キャンプ、秋の果実狩りや紅葉など、いつ来ても大満足のマキノであなたの知らない滋賀をぜひ体感してください!
筆者ご紹介
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地球の歩き方 滋賀Web特派員 FUNAZUSHI-MARU
城下町彦根で生まれて以来滋賀をこよなく愛し、自転車で日々琵琶湖のまわりを駆け回っています。近江には歴史街道がたくさん。そんな街道をロードバイクで巡りながら、家に帰れば日本酒と鮒寿司で一杯。そんな滋賀の魅力を地球の歩き方滋賀Web特派員ブログからお届けしています。
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