LCCはやめたほうがいいって本当?注意点やデータを紹介

LCC(ローコストキャリア)は、手軽な価格で航空券を購入できる点が人気ですが、サービス内容が不十分ではないか?遅延・欠航が多く発生するのでは?といった懸念を持ち、利用自体やめたほうが良いのではないかと疑問を持つ方もいるようです。


コストを削減することで格安航空券を実現するLCCは、荷物の制限、座席の種類など確かに利用の際にあらかじめ注意しておくと良い点はあります。一方、近年ではLCCの格安価格でも柔軟かつ充実したプランもあるため、しっかりとポイントを押さえれば快適に旅ができます。


本記事では、LCC利用時の注意点をデータや具体的な航空券情報を交えて解説します。

もくじ

singapore skyline

欠航・遅延が多いとは言えない

LCCの利用を懸念する人の間では、欠航や遅延することが多いのでは?という心配を挙げる方もいるようです。しかし、実際に直近の欠航率・遅延率のデータを確認してみると、主要なフルサービスキャリアであるANAやJALと比べて大きな違いが無いケースの方が多いです。

例として令和5年(2023年)10〜12月の国土交通省のデータをご紹介します。

なお、公開データには天候による欠航・遅延データも含まれますが、就航地によって雪や台風の影響を受けやすい場所もあるため、ここでは比較対象として扱っていません。

欠航率データ

主な航空会社・LCC

機材故障

機材繰り

その他

Peach(LCC)

0.05%

0.04%

0.00%

ジェットスター(LCC)

0.14%

0.60%

0.87%

春秋航空日本(LCC)

0.00%

0.00%

0.00%

ANA

0.05%

0.18%

0.03%

JAL

0.09%

0.34%

0.05%

各航空会社の欠航率を見ると、いずれの原因項目でも1%未満となっており、欠航自体は稀であることがわかります。就航路線数が比較的多いPeach(ピーチ)であってもこのデータの期間ではANA・JALと比べても遜色ありません。

person in lcc plane

遅延率データ

主な航空会社・LCC

機材故障

機材繰り

その他

Peach(LCC)

1.09%

11.16%

5.06%

ジェットスター(LCC)

0.34%

10.12%

5.61%

春秋航空日本(LCC)

0.00%

3.24%

2.92%

ANA

0.83%

9.27%

5.83%

JAL

0.38%

11.10%

4.06%

飛行機の遅延の発生割合についても同様で、全体的にフルサービスキャリアとLCCの間で大きな違いはありません。Peach、ジェットスターともにANA・JALと近い数値となっています。

なお、2021年に日本航空(JAL)の連結子会社となった春秋航空日本(SPRING JAPAN)の欠航率は唯一0%、遅延率も最も低い優秀な結果を残しています。

参考ページ:航空輸送サービスに係る情報公開(国土交通省)

上記のように、LCCであるから欠航や遅延の可能性が高く、利用はやめた方が良いという懸念は直近ではただの噂と言えるでしょう。むしろ、近年の春秋航空日本のように、より欠航・遅延しにくいフライトすらあるとも言えます。

traveller in airport after flight delay

欠航・遅延発生時の補償対応と制限

LCCはフルサービスキャリアの航空会社と比べて、欠航や遅延した時の補償が不十分なのでは?という懸念を目にした方もいると思います。この点については、一部その通りの場合もありますが、LCCでも通常の払戻しや振替が対応され、補償を充実させる格安なオプションでカバーする手段もあります。

振替・払戻しはLCCも対応

まず、悪天候や機材の整備などの関係で大幅な遅延・欠航が発生した際は、LCC各社いずれも予約内容と同一区間で空席のある便への振替(変更)が無料で可能です。また、振替ではなく払戻しを希望する場合は全額返金されます。

宿泊費・交通費の補償は制限あり

更に気になることは、もし遅延・欠航が原因で足止めされた時の宿泊費・交通費ですが、この点にLCCとフルサービスキャリアで違いがあります。

機材故障など航空会社側に起因する事由によるものの場合、ANA・JALでは宿泊費・交通費等を負担してくれますが、LCCは基本的に補償がないことが多いです。不安な場合は必要に応じて別途保険に加入することで、比較的格安に遅延・欠航時の宿泊費の補償を付けられます。

例えば、Peachでは1泊2日の国内旅行の保険が宿泊費の補償込みで約1,000円とお手軽な価格で加入可能です。

LCCとフルサービスを比較・オプションも検討

なお、ANA・JALの場合、悪天候・空港混雑・管制指示による離着陸制限などの不測の事態の場合は、LCCと同じく諸費用の補償は対象外であることに注意しましょう。

上記の国土交通省が公開するデータのように、欠航率は同時期で平均して 0.62%と非常に稀ではありますが、補償をより手厚くしたい場合は、LCCとフルサービスキャリアの料金やサービスを保険などのオプションも含めて比較すると良いでしょう。

関連ページ:海外旅行保険に入るべきか?クレジットカード付帯との違いや選び方

flight tickets

航空券のキャンセル・変更の可否と手数料

LCCは予約後の航空券を変更・キャンセルできない、もしくは高額な手数料が掛かるからおすすめできない、といった懸念をされる人もいるようですが、実際にはそう単純な話ではありません。

LCCとフルサービスキャリアの変更・キャンセルの可否と手数料金額を各プランで比べてみると、2つのことがわかります。

  1. LCCにはお得な航空券料金ながらも、柔軟に変更・取消しが可能なプランがある

  2. ANAやJALでも格安なプランの場合、変更・取消しに制限、一定の手数料がある



国内線のチケット変更・キャンセルのルール

航空会社・LCC

変更可否・手数料

キャンセル可否・手数料

Peach

プランにより異なる。

-ミニマム:不可能

-スタンダード:不可能

-スタンダードプラス:

ウェブサイト経由で無料

プラン・日数により異なる。

-ミニマム:全額

-スタンダード:
1,000円(30日前まで)

3,000円(29日前以降)

-スタンダードプラス:500円

ジェットスター

プラン・日数により異なる。

-Starter/Starter Plus:有料

--31日以上ある場合:4,000円

--30日以内の場合:5,000円

-Flex/Flex Plus:無料

-Business/Business Max:無料

プランにより異なる。

-Starter/Starter Plus:不可能

-Flex/Flex Plus:クーポン券で払戻し

-Business:不可能

-Business Max:3,000円

春秋航空

プラン・日数により異なる。

手数料率を一部抜粋。

-ラッキースプリング

 30日以上前:25%

 7日前まで:60%
 24時間前まで:70%

-スプリングプラス
 30日以上前:5%

 7日前まで:20%
 24時間前まで:30%

プラン・日数により異なる。

手数料率を一部抜粋。

-ラッキースプリング

 30日以上前:50%

 7日前まで:70%
 24時間前まで:80%

-スプリングプラス
 30日以上前:10%

 7日前まで:30%
 24時間前まで:40%

ANA

運賃の種類により異なる。
普通席運賃の一部抜粋。

-FLEX:無料

-VALUE:不可能

-SUPER VALUE:不可能

運賃の種類により異なる。
普通席運賃の一部抜粋。

-FLEX:無料

-VALUE:運賃の約5%

-SUPER VALUE:運賃の約30~60%
※払戻手数料:別途440円/区間

JAL

運賃の種別により異なる。
普通席運賃の一部抜粋。

-フレックス:無料

-セイバー:不可能
-スペシャルセイバー:不可能

運賃の種別により異なる。
普通席運賃の一部抜粋。

-フレックス:無料

-セイバー:運賃の約5%

-スペシャルセイバー:運賃の約50%

例えば具体的な航空券とプラン、キャンセル・変更のルールを見てみましょう。

2025年1月時点で、2月18日・20日の朝7時台の成田空港↔関西国際空港の往復路線について、PeachとANAの航空券を検索してみると、下記のようになっています。

Peachの航空券代金とキャンセル・変更規約

  • ミニマム(変更:不可 | キャンセル:全額):15,150円

  • スタンダード(変更:不可 | キャンセル:3,000円):17,870円

  • スタンダードプラス(変更:無料 | キャンセル:500円):22,670円

ANAの航空券代金とキャンセル・変更規約

  • SUPER VALUE(変更:不可 | キャンセル:約8,340〜16,680円):27,800円

  • VALUE(変更:不可 | キャンセル:約1,450円):29,120円

  • FLEX(変更:無料 | キャンセル:無料):62,620円

PeachはLCCならではの格安料金が魅力的ですが、確かに噂されるように「ミニマム」のプランの場合は変更不可、キャンセルは全額支払いが必要です。ただし、ANAの航空券でも格安の「SUPER VALUE」のプランの場合は条件が類似しており、変更不可、キャンセル料は場合によっては約60%で比較的高額となります。

一方、Peachの「スタンダードプラス」のプランで予約した場合はLCC基準の格安料金に抑えつつも、変更が無料で可能、キャンセル料もわずか500円で済んでしまいます。

このようにLCCにも旅行者の状況に合わせた様々な快適なプランも用意されていますので、変更・取消しにも柔軟で安心して利用できます。

関連ページ:LCCはどうして安いの?予約前に必ず知っておきたいデメリットを解説

traveller in airport

空港が都市中心部から離れている

LCCのフライトは、比較的不便な場所の空港で発着しているという情報を聞いたことがある人もいるかと思いますが、この点は確かに考慮したほうが良い点です。

LCCは運用コスト低減のために、都市中心部から離れた空港を拠点とすることが多く、旅行者としては利便性が低下する場合があります。

国内線LCCの空港の場所

例えば、東京エリアではLCCの多くが羽田空港ではなく成田空港で発着し、Peach・ジェットスター・春秋航空日本のいずれも羽田空港発の国内線の便はありません。

また、関西エリアでも同様で、より中心部から離れた関西国際空港で主にLCCを利用できます。

海外旅行でのLCCの利点と注意

一方、国際線の場合はPeachと春秋航空日本が羽田空港から、ソウル・台北・上海といった人気の旅行先へ就航しているため、海外旅行では便利に活用できます。

ただし、ソウル・台北も東京・関西と同じく、より中心部から離れた空港にLCCが発着するため、格安料金で日本からは便利に渡航できる一方、現地での中心部へのアクセスに時間が掛かる点には注意が必要です。

関連ページ:実はこんなにある!羽田発着のLCC国際線まとめ

person on airplane seat

座席スペースの広さや違い

各航空会社の座席の広さを比較すると、搭乗機種により異なりますが、一般的にLCCの座席はフルサービスキャリアに比べて狭いと言われています。

航空会社だけではなく、飛行機の機種によっても各座席の左右の幅、前後の間隔(シートピッチ)は異なりますが、公式サイトで紹介されている情報をもとに参考となるサイズをご紹介します。

LCCとANA・JALのエコノミークラスの席の広さの比較

航空会社・LCC

シート幅

前後の間隔

Peach

約45cm

約73〜81cm

ジェットスター

約45cm

約71〜79cm

春秋航空日本

約45cm

約73〜76cm

ANA

約45cm

約79〜86cm

JAL

約45cm

約79〜86cm

まず座席の横幅についてはエコノミークラスの席はいずれの航空会社・LCCでも大きな違いはないことが一般的です。前後の間隔についてはLCCでは多くの場合、映画鑑賞などができるモニターが付いていないこと、機内食やドリンクサービスも有料であり、ANA・JALなどと比べると狭めになっています。

なお、Peachなどの公式サイト内で紹介されているように、非常口付近など機内の席の場所によっては座席の幅が狭いケースもありますので注意が必要です。

LCCの格安の席指定・オプション

LCCでは1,000〜1,500円前後の追加料金で座席を指定することで、春秋航空日本の「レッグシート」や「コンフォートシート」といった指定座席を利用でき、機内前方の広めの席を格安で確保できます。この場合、足元が広く前後の間隔が約84cmもあり、より快適に過ごせます。

更に、Peachでは「スペースシートオプション」という隣の空席を確保するサービスもあり、複数席を広々と使える可能性があります。国内線は1席あたり2,000円 + 座席指定料金と比較的手頃な価格で利用できます。

関連ページ:国内線主要航空会社のシートピッチや快適度を比較

luggage

手荷物の制限・追加費用に注意

LCCは航空券を格安の値段で提供する代わりに、手荷物の個数・重量などの制限がフルサービスキャリアに比べると厳しい側面があります。機内持ち込み手荷物の重量は通常7kg以内とされ、これを超える場合は追加料金が発生することがあります。ANAやJALが10kg以内であるため明確な違いがあります。

預け荷物については、ANAやJALの普通席では20kgまで無料で預け入れが可能ですが、LCCの場合は通常最も格安のプランの場合は預け荷物のサービスは含まれない点に注意が必要です。預け入れが可能なプランを選ぶか、追加料金が必要となります。

LCC・フルサービスキャリアの手荷物規定

航空会社・LCC

機内持ち込み手荷物

預け入れ手荷物

Peach

重量:合計7kg

個数:身の回りの品を含め1人2個

サイズ:3辺の合計が115cm

プラン・条件

-ミニマム:有料

-スタンダード:1個無料

-スタンダードプラス:1個無料


重量:1個20kgまで

超過重量: 1個あたり32kg、総重量100kgまで有料で可能

個数:1人5個まで
サイズ:3辺の合計が203cmまで

ジェットスター

重量:合計7kg

個数:身の回りの品を含め1人2個

サイズ:56cm × 36cm × 23cm以内

※Starter Flex、ビジネスクラス運賃または機内持込手荷物プラス7kgのオプションを購入の場合、合計14kgまで(1個あたり10kgを超えないこと)

プラン・条件

-Starter/Flex:有料
-Starter Plus/Flex Plus:20kgまで無料
-Business/Business Max:30kgまで無料

重量:1個32kgまで

超過重量:15〜40kgまで5kg単位で有料で可能
個数:制限なし
サイズ:1辺が100cm未満

春秋航空日本

重量:合計7kg

個数:身の回りの品を含め1人2個

サイズ:各辺が56cm × 36cm × 23cm以内かつ、3辺の合計が115cm以内

プラン・条件

-ラッキースプリング:有料

-スプリング:20kgまで無料

-スプリングプラス:30kgまで無料


重量:最大重量60kgまで
(1個あたり30kg以内)

ANA

重量:合計10kgまで

個数:身の回りの品を含め1人2個

サイズ:

-飛行機の座席数100席以上:各辺の長さが55cm × 40cm × 25cm以内かつ、3辺の合計が115cmまで

-飛行機の座席数100席未満:各辺の長さが45cm × 35cm × 20cm以内かつ、3辺の合計が100cmまで

プラン・条件

-プレミアムクラス:40kgまで無料

-普通席:20kgまで無料


重量:1個32kgまで

超過重量:総重量100kgまで有料で可能

サイズ:3辺の合計が203cmまで(機種により最長辺に制限あり)

個数:制限なし

JAL

重量:合計10kgまで

個数:身の回りの品を含め1人2個

サイズ:
-飛行機の座席数100席以上:各辺の長さが55cm × 40cm × 25cm以内かつ、3辺の合計が115cm以内

-飛行機の座席数100席未満:各辺が45cm × 35cm × 20cm以内かつ、3辺の合計が100cm以内

プラン・条件
-ファーストクラス:45kgまで無料

-普通席:20kgまで無料


重量:1個32kgまで

超過重量:総重量100kgまで有料で可能

サイズ:各辺が50cm × 60cm × 120cm以内

個数:制限なし

LCCだけではなくフルサービスキャリアにも当てはまりますが、手荷物の総重量とサイズにも規定があり、超過すると追加費用が発生したり、制限を超えると持ち運びが不可能となるため注意しましょう。

関連ページ:国内の全LCCの特徴・サービスを徹底比較!おすすめとANAやJALとの違いを解説

直前の予約だと割高になる可能性はある

LCCの場合、出発直前に航空券を予約すると割高の値段になるのでは?と疑問を持つ方もいるようですが、確かに空席状況などによって値段が高くなることがあります。

これはLCCが「ダイナミックプライシング」という需要連動型の価格設定を導入していることで、予約が増加して空席が埋まりやすい状態では値段が上がりやすくなることに起因します。

実際にスカイスキャナーで航空券を検索してみると、その傾向が見られることがあります。

一例としてJALとジェットスターの成田空港から福岡空港行きの片道チケットについて、2025年1月22日時点で、直前のタイミングの1月25日(土)と、先の日程の3月8日(土)の同時間帯の航空券を検索してみると、下記のようにジェットスター側の価格が大きく違います。

  • 1月25日(土): JAL 54,060円 | ジェットスター 22,740円

  • 3月8日(土)  : JAL 52,490円 | ジェットスター 18,640円


JALの航空券の値段は1,570円(+約3%)ほど高いだけで価格がほぼ変わらないのに対して、ジェットスターは4,100円(+約21%)ほど直前の方が高くなっています。
それでもLCCならではの格安価格の魅力は変わりませんが、LCCで旅行する際はできるだけ早めに航空券を購入する方がより安く購入できる可能性がある点に注意しましょう。

関連ページ:なぜ航空券の価格は変動するの?価格決定のメカニズムを解明

乗り継ぎに注意が必要なケースがある

国内線の一路線の移動であれば発生しない問題ですが、複数の航空会社・LCCを乗り継いで移動する場合、乗り継ぎに時間がかかる可能性に注意が必要です。

利用するLCCが到着ターミナルと別である場合は一定の距離を移動する必要があります。

また、比較的稀なケースですが、国際線の乗り継ぎ空港の中に次に乗るLCCのチェックインカウンターが無い場合、一度その乗り継ぎ空港の国に入国しなければいけないケースもあります。

例えば日本から香港や台湾を経由してタイへ渡航する際に、経由空港の国際線トランジットエリアでタイ行きのLCCにチェックインしたくてもカウンターが存在せず、一度入国を余儀なくされるといったケースがあります。

LCCを上手く活用すると非常に格安で複数の渡航先を回れますが、乗り継ぎにおいて移動や時間が必要となるケースがあるかどうか事前に調べて準備していきましょう。

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